仕事帰りに、新宿へワープ。
先日、芥川賞を受賞した磯崎憲一郎氏の「終の住処」サイン会へ行ってきた。
紀伊国屋書店で本書を買おうとした際、サイン会のチケットが付いてきた…だから行ってみたというのが本音。
紀伊国屋本店9階の会場はひっそりとしていた。
嶽本野ばら氏や林真理子先生の華やかなサイン会とは雰囲気が違うことにびっくり。でもこれが普通なのだろう。
個室で磯崎さんは、購入者から差し出された本に、サッサコサッサコと自分の名前を書きまくっていた。
見た感じ…カコイイ。精悍な感じであった。
三井物産勤務ということだが、昼間、彼が働いている姿(眼鏡着用)を見たら、私は冷静に仕事を遂行できる自信がない。
それほどムッハーであった。
あと、指。
節々が高いTHE・男という指が、力強く動く様を見ているのは、非常に心地が良い。磯崎さんのそれも然りだ。
マジックと紙が擦れる音が、まるで衣擦れのように聞こえてくる。
「受賞、おめでとうございます」
と言うと、彼は
「ありがとうございます」
と静かに言った。
さて。
本作品の感想。
面白くない。
妻子がいるリーマン(製薬会社勤務)の淡々とした独白めいた作品だもの。
仕方がない。
でもつまらないというわけでもなかった。
ぼんやりとした日常の積み重ね、些事の集積が、人生を形作るという主張には強く共感を持った。
毎朝、「うっかりペネロペ」を観ながら突っ込んでみたり、
昼休みにペットボトルの表面に着いた水滴が重みを持って落ちていく様子をぼんやりと眺めたり、
夕暮れを見て「綺麗だなあ」と思ったり、
道端で息絶えた蝉の死骸を哀れんだり、
…これが私の日常、人生の破片たちである。
明日も明後日も、たぶん、私はそれらを拾いながら生きていく。
面白くはないけれども、つまらなくもない人生を。
先日、芥川賞を受賞した磯崎憲一郎氏の「終の住処」サイン会へ行ってきた。
紀伊国屋書店で本書を買おうとした際、サイン会のチケットが付いてきた…だから行ってみたというのが本音。
紀伊国屋本店9階の会場はひっそりとしていた。
嶽本野ばら氏や林真理子先生の華やかなサイン会とは雰囲気が違うことにびっくり。でもこれが普通なのだろう。
個室で磯崎さんは、購入者から差し出された本に、サッサコサッサコと自分の名前を書きまくっていた。
見た感じ…カコイイ。精悍な感じであった。
三井物産勤務ということだが、昼間、彼が働いている姿(眼鏡着用)を見たら、私は冷静に仕事を遂行できる自信がない。
それほどムッハーであった。
あと、指。
節々が高いTHE・男という指が、力強く動く様を見ているのは、非常に心地が良い。磯崎さんのそれも然りだ。
マジックと紙が擦れる音が、まるで衣擦れのように聞こえてくる。
「受賞、おめでとうございます」
と言うと、彼は
「ありがとうございます」
と静かに言った。
さて。
本作品の感想。
面白くない。
妻子がいるリーマン(製薬会社勤務)の淡々とした独白めいた作品だもの。
仕方がない。
でもつまらないというわけでもなかった。
ぼんやりとした日常の積み重ね、些事の集積が、人生を形作るという主張には強く共感を持った。
毎朝、「うっかりペネロペ」を観ながら突っ込んでみたり、
昼休みにペットボトルの表面に着いた水滴が重みを持って落ちていく様子をぼんやりと眺めたり、
夕暮れを見て「綺麗だなあ」と思ったり、
道端で息絶えた蝉の死骸を哀れんだり、
…これが私の日常、人生の破片たちである。
明日も明後日も、たぶん、私はそれらを拾いながら生きていく。
面白くはないけれども、つまらなくもない人生を。