晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

北村薫 『スキップ』

2011-11-18 | 日本人作家 か
この『スキップ』と、「リセット」「ターン」を合わせて
「時と人」3部作というそうで、リセットとターンは先に
読んでしまい、それから2年か3年越しで、だいぶ間をあ
けて、ようやく3部作の読了と相成りました。

というか、この3部作でいちばんはじめに書かれたのが
『スキップ』なんだと知って、相変わらず順番バラバラ。

千葉県の海沿いの町に住む真理子。地元の女子高に通う
2年生、17歳。時代は、昭和の40年代という設定で、
学校の文化祭の準備をしていまして、家に帰って、父親
のオーディオでクラシックのレコードを聴きながら寝て
しまい、目が覚めたら、そこは自分の家ではなく・・・

すると、自分と同じくらいの歳の女の子が「ただいま」と
いって家に入ってきます。そして真理子を見たその女の子
は、衝撃の言葉をかけるのです。

「どうしたの、お母さん・・・?」

真理子は、なんと42歳になっていたのです。私はついさ
っきまで17歳の女子高生だったのよと、目の前にいる、
「私の娘」に説明しても、頭がどうかしてしまったとしか
思われないのですが、その女の子、桜木美也子は、母のあ
まりに真剣な表情に、信じることに。
しかし、真理子の苗字は一の瀬。美也子は桜木。そう、真
理子は桜木という男と結婚して桜木姓になっているという
こと。

そこで、その「夫」が家に帰ってきて・・・

まあ、あらすじしか書けないのですが、タイムスリップ系
の話、といわれればそうなんですけど、「はたして真理子
は17歳に戻れるのか・・・」というわけでもないのです。
42歳の「桜木真理子」は未来なのか、あるいは17歳の
女子高生だった真理子が“過去”なのか。

小説の時系列が複雑だと、途中で混同してしまい読み返す
なんてこともありますが、『スキップ』は時系列などとい
うレベルではなく、違う世界。この頭の中のこんがらがり
具合が、気持ち悪くもあり、面白くもあり。


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