晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

池波正太郎 『抜討ち半九郎』

2020-02-08 | 日本人作家 あ
さて、二月。

アカデミー賞にネット配信の作品がノミネートされるようになったのは去年からでしたっけ。今後はそれが話題になる事もなく普通になっていくのでしょうか。しかし一部の映画関係者・過去にアカデミー賞を受賞した映画監督などは反対していますがね。やっぱり銀幕がいいんでしょうか。

数年前、電子書籍にちょっと興味があって、買ってみようかななんて思ったことはあったのですが、相変わらず紙の本を購入しております。
ま、確かに地球の環境を考えればペーパーレスが望ましいんでしょうが、当たり前っちゃ当たり前ですが電子書籍は「ページをめくる」という行為が無いんですね。本を読み始めて、どんどん読み進んでいくと残りのページ数が少なくなっていく、あの名残惜しさもありつつ、達成感、充実感、満足感、なんでもいいですが、それが読書の楽しみでもあるのです。

あとは、この前、オンラインショップで本を買ったときも書いたのですが、本屋に行って、目当ての読みたい本が売ってなくて、書店をうろうろして、知らない作家さんの知らない作品をたまたま手に取って帯や裏表紙の解説を読んで買って見て読んだら面白かった、という「新しい出会い」もあったりするわけでして。

それはさておき『抜討ち半九郎』です。短編集です。

「奸臣」は、上州(現在の群馬県)沼田の城主、沼田家の話。ついこの前「まぼろしの城」という長編を読んだばかりで、その前に書かれた短編バージョン。城主の沼田万鬼斎は郷士の娘を側室にしますが、やがてその側室とに沼田家の家臣に出世した父親に篭絡されて・・・

「霧に消えた影」は、大谷吉継の家臣、蜂谷与助の話。もとは武田家の家臣でしたがその後徳川家へ、しかし大谷吉継は豊臣方。関ヶ原の合戦では徳川方のスパイとして・・・

「妻を売る寵臣」は、五代将軍・徳川綱吉の側用人、牧野成禎の話。綱吉と言えば「犬」でお馴染みですが、なんと家臣である成禎の奥さんを(お手つき)に・・・

「清水一学」は、吉良上野介の家臣で剣の名手、清水一学の話。殿中での刃傷事件から二年ほど過ぎ、上野介や他の家臣たちも旧赤穂藩士たちの復讐からの警戒心が緩んできて茶会を開くと言い出し、その夜、ご存知例のアレ。相手方には同じ道場の門下生が・・・

「番犬の平九郎」は、もとは浪人で、藤代藩十万石の家老、永井主膳の用心棒、鳴海平九郎の話。藩で権勢をふるっていた永井主膳の駕籠が酒巻兄弟に襲われ、酒巻兄弟は山に逃げ込みます。それを追う平九郎ですが・・・

「猿鳴き峠」は、藩主の奥用人が討たれ、その仇討ちに長男の伊織に七人もの助太刀が付いて仇を探しますが、相手の反撃で次々と討たれ、生き残った奥用人の兄弟、つまり伊織の叔父は・・・

表題作「抜き討ち半九郎」は、今では乞食坊主ですが、かつては殺人も厭わない盗賊。十数年前に寺に侵入し奪った獲物で仲間割れをして・・・

それぞれの主人公の共通点といえば「悲しいなあ」ですね。
コメント
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