晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

劇団ひとり 『陰日向に咲く』

2009-04-20 | 日本人作家 か
いまさら、とか、ようやく、とか、とにかく世間でいわゆるブーム
状態にある時には、生来の天邪鬼で読まないのですが、あと、
本屋で流行モノを買うときに「ああ、この客ミーハーだわね」な
んて思われたくないという、これまた生来の小心者もあって、
まあ、そんなこんなで読みました。

作品は、オムニバス形式で描かれていて、ホームレス、売れない
アイドル、そのアイドルの狂信的ファン、コメディアン等々、それぞれ
てんでばらばらですが、どこかしらで接点があり、それが最終章で
ああ、そういう関係だったのかと、構成の巧みさに驚きました。

もっとも、作者の本業であるネタでも構成の上手さは分かります。
それを考えると、この作品は、ひょっとしたら作者はこういうネタを
舞台でやりたかったのではないのか、と。
これを一人芝居で、けっこう長時間演じるとなると、演者の技量も
かなりの高レベルが必要となってきますが、それよりも、観客にも
高い理解度が要求されます。

この作品を立体化するには、映画というかたちをとるよりも、作者
自身が「芸人、劇団ひとり」として一人芝居のオムニバス形式で
複数役を演じたほうが、見ごたえのあるものになったのではない
かと思うのです。
ゴングショー的なお笑い番組に慣れてしまってる客層からは支持
されないでしょうけど。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする