ベルリン・フィルハーモニー管楽アンサンブルによる
モーツァルトのセレナーデ第10番《グラン・パルティータ》を聴く。
この曲は、オイゲン・ヨッフムがバイエルンのオーケストラメンバーと録音した、おっとりとした演奏のを愛聴してゐますが、このCDも楽しく聴きました。
ベルリン・フィルの黄金期の録音ゆゑ(1980年~1981年)、さすがに、メンバーが凄い、です。
ローター・コッホのオーボエ、カール・ライスターのクラリネット、ゲルト・ザイフェルトのホルン、等々。
皆、ソロ・コンサートで会場を埋めることができた奏者ばかりですが、この演奏では
、少し早めのテンポで、力を抜いたやうなアンサンブルの楽しさが伝はってきます。勿論、それぞれの奏者の上手さには、文句のつけやうもありません。
映画《アマデウス》で、モーツァルトの天才ぶりと、サリエーリの凡庸ぶり(事実は兎も角としてー)を象徴的に見せたシーンで使はれてゐましたが、その第3楽章のアダージォも、天国的な安らかさに満ちてゐます。
余り突出しないオーボエの音色が素敵、です。
傑作の誉れ高いこの曲ですが、でも当時は、高がセレナーデ、だったのでせう。
お茶の時間のBGM程度だったのでせうが、その程度のものに、人生の深淵を覗かせるやうな曲想を紡ぎこんだモーツァルトといふ人に、感服し、感謝せざるをゑません。
(写真は、ジャケット)
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