やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

ソバの花、咲く

2005-09-08 | やまがた抄

以前立ち寄った蕎麦屋さんで、ソバの実を頂いたまま、車中に忘れてゐました。
お盆の休みの時に、鉢に撒いておきました。
蕎麦45日、とかいはれるやうに、その成長は早く、一週間ほどで葉が出揃ひ



今朝見たら、小さな花を咲かせてゐました。



まったく何も手を掛けず、間引きもしなかったのですが、加へて日当たりも
差ほどよくないところだったのですが、昨夜の強風から逃れられた幾つかの
白い花が天に向かってゐました。
「若芽をおひたしにー」といふ家人の言葉を拒否し!、来年は借りてゐる畑に
撒いて、ソバ打ちをしやうかしらん。

バルトーク/「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」

2005-09-07 | 音楽を
最近、やけにバルトークが聞きたくなってー。

ゾルターン・コチシュ、デジュー・ラーンキのピアノの盤で聴きました。

1937年の夏に作曲されたこの曲は、「弦・チェレ」と共に、晩年のバルトークの傑作のひとつです。
第二次世界大戦が勃発する前夜の頃に、ユダヤ人である彼は果敢に抵抗をしながら、独自の音楽・作曲理論を楯に、今なほ新鮮な曲を残しました。

このソナタも、まったく新鮮な音の響きがあります。
実際は、非常に難解な理論に裏打ちされた音の列挙があるさうですが、
自己満足的な現代音楽になってゐない所がバルトークの素晴しさです。
音楽に、戦争前の暗い影がー、とか、ナチスの迫害がー、とか無理やりこじつけずとも、激しく強打するピアノの突き抜けた響きやパーカッションの意外な響きが時代背景を雄弁に語ってゐるやうな気もします。

安易に時代に乗った曲がすたれるのとは反対に、ハンガリーといふ国が持つ東洋趣味と、バルトーク自身が長年漁った民俗音楽が、”解体”を目指した同時代の他の作曲家とは違ふ、感覚的にわかり易い音楽として残してくれたのでせう。


逃花

2005-09-06 | 神丘 晨、の短篇
「バラ、お好きなんですか?」
女は、男の後姿に声をかけた。

男は、公園の入場券を二枚求めたにも関はらず、ひとくれの枝も見ずに
園内を通り過ぎやうとしてゐた。
女には、その急ぐ姿が不思議に思へた。

女の声に呼応したやうに立ち止まった男は、煙草に火をつけると
「どうも、好きではないやうです」と云って笑った。
言葉の意味がわからず、再び訊ねやうとした時、男はベンチ横の灰皿で火を消すと
先を急ぐやうに歩き出した。
散策路の先に、三層の天守閣が見へた。

東北の小さな領地に建ってゐたものだった。
建造当時のままに再現されたそれは、真新しい木材の香りに包まれ、
漆喰の壁に初夏の光りが吸ひ込まれてゐた。

無言のままの男に、「さっきのバラの話ー」と云ひかけた時、
「昔、バラが命の次に好きだった人と死に掛けたことがあった。
 それ以来、やはり、バラは不得手でー」と男は云った。

女は、男の話を投げ捨てるやうに眼下に見へるバラ園を覗きみた。



セルのドヴォルザークを聴く

2005-09-05 | 音楽を
ふとしたことで、セルのドヴォルザークの交響曲第8番を聴き直す。
幾度も、幾度も聴きなおした。

定盤とは云へ、何と完璧な演奏だったのだらう!!
録音は1970年の、死の数ヶ月前の春。
あの、見事に引き締った、けれど、ささくれ立たないシューベルトの9番に
続く、セルの成せる技の集大成の演奏。

3楽章にある、愛らしい旋律に向けて前半を作ってゆくやうな録音もあるなか、
セルは、全体のバランスを見事に計算しつくし、けれど、
全てがよどみなく流れてゆく。
音の、音楽の、強弱も申し分なく、それを支へた弦や管も勿論申し分ない。

”地元産”の演奏も、それなりの価値はあるのでせうが、
セルのこの演奏は、さういった枠やカテゴリーを遙かに突き抜けて、
音が、音楽が、演奏が、純粋に生き残る処まで行ってゐるやうな気がします。

工事現場?

2005-09-04 | やまがた抄




本日開催される、”日本一の芋煮会”の会場の準備の姿です。





当日は、渋滞が激しく、会場に近寄れませんので、会場横を通ったので
収めてきました。



中央に設置されてゐるのが、巨大鍋、です。
段々と大きくなって、現在のは直径6m、です。

鍋といふよりは、露天五右衛門風呂、といふ感じです。
何万食分かを作るのですが、
大味にならないのだらうか、いつも不思議に思ってゐます。

イヴェント、ですから、細かいことはよろしいのかしらん。

中旬ころから、この河川敷も、大小のパーティでの芋煮会で
一杯になります。

秋が…2

2005-09-03 | やまがた抄

我が家の前の河川敷は、
既にコスモスの花が満開です。

いつ頃からか、横一列に咲くやうになりました。
フロントガラスの正面に見へたので、朝撮りの写真です。

明日は、山形市の”日本一の芋煮会”です。
昨日、会場の横を通ったら、準備に追はれてゐました。

今年は、何回の芋煮会をすることになるのか?
さあ、秋です。(*^-^*)

秋が…

2005-09-02 | やまがた抄

最後のせみ時雨と入れ替はるやうに、
街の外れでは、秋が出番を待ってゐます。

現場の近くの林では、既に秋の実が色を染めるばかりになってゐました。



県南のお客様の庭先には、既にミズヒキ(赤まんま)が竹垣を背に
小さな色をつけてゐました。


夏の終り、鷺草

2005-09-01 | やまがた抄

サギ草を株分けして頂いてゐたのですが、
我が家に来てから消へ果てしまひました。
庭木の半分ほどは、お客様や知人から頂いたもので、
大事に育ててゐるつもりなのですが、今回のサギ草だけは完敗でした。

「咲きましたか?」と聞かれて、「実は…」とお詫び申し上げました。
お詫びの印にと写真を撮らせていただき、
この夏の最後のひと花を載せることにしました。

  さぎ草に 悔やみを云ひつつ 夏終はる (晨)