やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

ジャッキーのエルガー

2005-09-23 | 音楽を
久しぶりに、ジャクリーヌ・デュ・プレのエルガーのチェロ協奏曲を聴きました。

この曲を初めて聞いたのは、FMか何かで、奏者はジャクリーヌ・デュ・プレでした。月並みでせうが、いきなり聞こへた、胸をかきむしるやうなチェロの音が忘れられませんでした。

説明を見ながら聴いてゐたら、この録音が、デュ・プレが二十歳の時のものだったのに、改めて驚きました。
死後、彼女の伝記本や映画なども出てきて、美辞麗句だけではない、彼女の一面も
紹介されてしまったやうですが、この演奏の前では、霞むほどのものに思へます。

エルガー62歳の晩年のこの曲を、如何に天才チェロ奏者だったとはいへえ、二十歳のデュ・プレは、望みも、諦めも取り混ぜながらひたすら弓で弾きこんでゆく。
この録音のあと、間もなくやってくる彼女への難病(多発性硬化症)の前に、他の奏者の追従を許さないやうな、思ひ入れの強い演奏を残してゐます。
共演の、バルビローリの指揮もこの演奏の見事さを共に創ってゐます。