やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

シノポリ/マーラー/交響曲第二番「復活」

2005-06-20 | 古きテープから
1987年1月16日.東京.サントリーホール
指揮者:ジュゼッペ・シノポリ/フィルハモニア管弦楽団、東京音楽大学(合唱)
ソプラノ:ユリア・ヴァラディ
アルト:ワルトラウド・マイヤー

NHKのテレビでも演奏会の模様が放送され、その圧倒的な演奏に感激したものの、
ビデオに残さず、今でも痛く悔んでゐる演奏会の様子です。
辛ふじて、音だけは残ってゐます。

好みは別として、ワルターやクーべリック、バーンスタインの後の世代として
インバルやベルティーニ等と共に頭角を現してきた時期の演奏です。

情感に流されない、理知的な、分析的な演奏です。
元々、終楽章が劇的であるゆゑ、ライブでもそんな演奏が多いのですが、
この演奏は、それを慎重に避けたやうなところがあります。
ラストの前に、一瞬、夢のやうにハープの音色が耳に残ったのは見事な仕掛けか?

とまれ、84分の演奏の果てにあるのは、
本当に「復活」なのか? あるひは「死滅」なのか?

峰張桜

2005-06-19 | 神丘 晨、の短篇
(峰張桜/会津若松市)

その老人は、突然声をかけてきた。
「あんたは、何処から来た?」
まるで、私を詰問するやうな口調だった。
「山形、からですがー」
四月半ば、私は朝から会津地方の桜を写真に収めてゐた。
「山形か? いいだらう。何をしてゐる?」
老人は、遠巻きに私を見ながら刑事のやうに聞いた。
「休みを利用して、会津の桜を撮ってゐます。好きなもので」
「ウム」とうなずくと、老人は神殿へ向かった。暫くして、拍手の音が聞こへた。
私は、状況の整理もできないまま、バッグを片付け始めた。
「ところで、この峰張桜の話を聞きたくはないか?」
背後で再び老人の声がした。
私が、「はあ」と曖昧な返事をすると、
「今日は祭りだ。酒でも飲みながら話を聞かせてやる。わしの家はすぐ近くだ」
さう云ひながら私の袖をつかんだ。
「まったく、この桜を会津五桜から外すやつの気が知れん」
老人は、独り言のやうに云ふと、今度は私の手を引いた。

コレって?

2005-06-18 | 雑記

新しい、タバコのパッケイジ、です。
販売機から出てきた時には、悪いイタズラかと思ひました。

何てセンスの悪いパッケイジ、でせう。
JTのTVのCMも、本当にセンスのないものでしたが、
ここに極まり、といふ感じです。

タバコを販売(独占で!)しながら、タバコを呑む文化、といふものを
自ら否定してゐるやうな、自分の会社のリスクヘッジのみが出てゐるやうな
とても嫌なパッケイジ、です。

この姿が続くのであれば、やはり、禁煙モードに突入、かな?(;´Д`)



ドキッ!

2005-06-18 | 雑記

過日、山形市内の公民館で会合があり、
その前にと、入ったトイレの手作りの注意書きポスター。

雛形があるのか否か分かりませんが、ストレートで良いです。
携帯の写真なのでやや不鮮明ですが、小便小僧が
「あさがおの 外に漏らすな 松茸の露」
と訴へてゐます。この句は、有名なやうで、他でも目にしたものです。

松茸、と云はれて、思はず下を見たのですが、シメジ、でした。
(#^.^#)

嗚呼 ジュリーニ

2005-06-17 | 音楽を
昨日、車中のFMで、カルロ・マリア・ジュリーニの訃報を聞きました。
91歳だったといふ。天寿とも云へます。

それほど彼の熱心なファンではなかったけれど、
彼の実演に接することもなかったけれど、
彼のレコードやCDに裏切られたことは、さほど多くはない。
クリント・イーストウッドに似た風貌が好きでした。

彼ほどのマエストロが、彼に相応しいマイオーケストラを持つことも無く、
”巨匠の時代”の言葉と共に消へて行くのは、寂しいことだと思ふ。
勿論、時代は刻々と変はり、時代の価値観も変はり続ける。
特に、ここ十年余の変化は劇的ですらある。
それでも、人が百年を超えて生きながらへることは、
そう、たやすいことでもない。

昨夜、彼への想ひをこめて、
マーラーの最後の交響曲9番の終楽章を聞きました。
シカゴ交響楽団との録音です。一連の、最後の交響曲シリーズでした。
きめの細やかな、極限のやうなゆったりとしたテンポをとりながら、
けれど、音楽はたわむことなく一点のバニシングポイントに向かってゆく。
最后の、ひと息ひと息つきながらの弦の消へ方が素晴しい。

                        合掌


與次郎稲荷神社/東根市

2005-06-16 | 山形の鳥居、を巡る
新しいカテゴリー「山形の鳥居」を始めます。
以前から、鳥居の色々な種類や形に興味があったのですが、
気が付くと、山形は石鳥居の宝庫の県でした。
有名無名にこだはらず、鳥居のある風景を探して行きたいと思ひます。

仕事がひと段落したので、天童市の現場の下見を済ませ、
足を伸ばして東根市へ行きました。
「與次郎稲荷神社」の石鳥居から始めたいと思ってゐました。
東根市の友人に所在を教へてもらひ、お蔭ですぐ分かりました。

「寂れた処ですよ」と云はれて行ったのですが、
小さな境内の入り口に、小さく、少し柱の太い石鳥居がありました。
かつての、山岳信仰(月山か、葉山か?)の名残りの鳥居のやうですが、
境内の木々がうまく雨風をしのぎ、痛みはそれ程ではなく、
最初の場所に選んでよかった、と無人の境内で写真を収めて来ました。

閑話 
所在を教へて頂いた友人が、「昔は、あそこでサーカスがあった」と
懐かしんでゐました。
現場に行ってみると、左程大きな境内でもなく、この中で? と思ったのですが、
確かに、神社の大きさ(イメージ)は、人の加齢に反して小さくなってゆくやうです。
小生の生家の近くにも八幡神社があり、少年時代、そこは無限の大宇宙だったはずですが、
十年ほど前に立ち寄った時は、こんなに狭かった? と思った記憶があります。
神社や鎮守の森が子供達の遊び場の首位から滑り落ちて久しいです。
”大宇宙”を外から見てしまふことが、よい事なのか否か、
考へさせられることしきり、でした。(-_-)ウーム

私の帽子は何処へ?

2005-06-15 | やまがた抄

先日、知り合ひのフラワーアレンジメントの作品展へ行きました。
同人展の趣で、色々な作品があり、楽しめました。

会場の入口にあった帽子が目に止まり、写真を撮らせてもらひました。
トクサ(?)で創った帽子は、今にも風に吹かれて谷底へ落ちてゆくやうな
軽やかな様子でした。(*^-^*)

「オール・ザ・シングス・ユー・アー」

2005-06-14 | 書棚のジャズアルバムから
ジャズのスタンダードに関しての本を見てゐたら、
かなりの曲が棚にあることに気が付きました。
有名無名は別にして(やはり、定番の演奏が多いやうですが)、
あくまで、我が家のレコード/CD棚にある演奏で話してゆきたいと思ひます。

「All The Things You Are」
 作詞:オスター・ハマースタインⅡ世
 作曲:ジェローム・カーン

キース・ジャレット・トリオの「トリビュート」に入ってゐました。
1989年.10月 ドイツのケルンでのライブ録音です。

この曲は、彼らの「トリオVol.1」にも入ってゐましたが、
このライブ盤は凄いです。
いきなり、ハイテンションのキースのソロが3分近くも続き、
それに、ゲイリー・ピーコックとジャック・デジョネットが絡むと
まう、会場は興奮の嵐です。
少し乗り過ぎ、少し乗せ過ぎの感はありますが、こんな新鮮な解釈には
やはり、会場にゐたら脱帽でせう。
エンディングの仕方が、幾度聞いてもやや不満ですがー。

雨後の竹の子

2005-06-14 | やまがた抄

クロチクの竹の子の勢ひが止まりません( ゜_゜;)

まう、二度食卓に上がったのですが(それも数本)、
写真は昨日の朝でしたが、それは早くも夕餉の味噌汁に入り、
今朝、出掛けに見たら、また、三本ほど出てゐました(*_*)

追ふ者と追はれる者との、息詰まる戦ひが、
我が家の小さな庭で繰り広げられてゐます。
このままでは、来年は、全面戦争か!
/(-_-)ヽ コマッター

ショルティ、最后の演奏会?

2005-06-13 | 音楽を
       (写真は本文と関連ありません。我が家の芍薬です)

カセットの棚を整理してゐたら、「最后のショルティ」といふラベルのものが出て来ました。
先日、テレビで感心したばかりでしたので、改めて聞きなほしました。

1996.11.9 ウィーン・ムジークフェライン大ホールで演奏されたものを
FMで放送された録音です。
何と(!)ウィーン・フィルとの演奏でした。
プログラムは 1.バルトークのディベルティメント
         2.リストのメフィストワルツ
         3.チャイコフスキー/交響曲第6番「悲槍」
で、如何にも渋いプログラムでしたが、何としたことか(!)
テープに収まってゐたのは「悲槍」のみでした。
この演奏会が、本当にラスト・コンサートだったのか否かは分かりませんが、
少なくとも、最晩年のそれであることは間違ひないでせう。

とても、よい演奏でした。
幾らでも聞かせ所は創れる曲でせうが、そんなことには興味がないと云はん
ばかりの、ショルティ流の演奏です。
ウィーン・フィルくらゐなら、指揮者なしで”感動的”な演奏くらゐは容易い
ことでせうが、そんなことはさせじと、細かい音のバランスや重ね具合に
注意がはらはれ、ショルティ爺さんの面目躍如といった処でせう。

それにしても、やはり、何とウィーン・フィルの管の美しいことか!
金管などは日本製もあると聞きますが、何と上品で上等な咆哮の音でせう!