やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

鴨居 玲の自画像

2005-05-14 | 絵をみる
絵を見るときに、基本的には何の前知識も持たないで見ます。
初めて入る美術館も、企画展も、チケットだけを手に持って見ます。
入口で頂くパンフレットも見ません。
そのまま、会場をひと巡りし、
出口近くまで行って気になるものがあったらまた戻ってきます。
天邪鬼の極みでせうか。(^_^;)

鴨居 玲の絵もそんな風にして見ました。
激しくその画風を変へながら、
やはり足を止めたのは数多い自画像、と自画像風な老人の絵でした。

息が詰まるやうに描かれた、自虐的なそれらの絵は、
けれど、風光明媚な山河の絵を何千枚並べても
足元に及ばないほど、強く刺さってきます。

笑顔の素敵な(まう、亡くなってゐますが)作者の中に、
技なのか、傷なのか、小生のやうな凡人には計り知れない
暗がりが宿ってゐるやうな自画像です。