やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

シーレの「ひまはり」

2005-05-01 | 絵をみる
無性に、エゴン・シーレの「ひまはり」が見たくなりました。

この絵を見たのは、ずゐぶん前です。
セゾン美術館(今は幻の、西武王国のアダ花のやうな美術館)の
開館企画「ウィーン世紀末展」でした。
今もって伝説的に語られる、素晴しい企画展でした。

初めてシーレの絵を見、初めてクリムトの絵を見ました。
会場内にシーレの絵は他にもあったはずですが(有名な作品も)、
「ひまはり」は一瞬見ただけで足が止まった覚へがあります。

この、神経を逆撫でするやうな描き方は何なのだらうか?
その後、シーレの絵はずゐぶん見ましたが、暫くは分かりませんでした。

17歳の頃、印象派のやうな水面を描き、このひまはりを描き、
歪んだ自画像を描き、女性との交はりの姿を描き、
30歳に満たない小さな半径の人生を、穏やかな家族の姿で閉じる。
死の年の、すこし虚ろだけど、ふくよかな裸の女性達の姿のためには、
「ひまはり」の、刺々しくやせ細った、朽ち果てよふとする姿が
或ひは必要だったのかもしれない。