ジャズ関連の本を読んでゐて、ふと聞きたくなりました。
キース・ジャレットのトリオによる録音は、
この後の「星影のステラ」、「スティル・ライブ」、「イン・ノルウエイ」
等々の方が有名なのかも知れませんが、
久しぶりにこのVol.1を時間を忘れて聞き終へました。
巷間云はれるやうに、キースのマルチぶりは有名ですが、
やはり一連のトリオによる演奏は(近年は、ややマンネリ?)素敵です。
彼のモーツァルトやバッハも聞きましたが、何となくなぞったやうな演奏で
録音は綺麗でしたが、演奏そのものはインパクトのないものでした。
このVol.1の1曲め「ミーニング・オブ・ザ・ブルース」の
出だしのピアノの音色と入り方が、その後の快進撃を象徴してゐます。
手垢にまみれた有名曲を、自分とメンバーの感性をのみ信じたやうな
独特の解釈の演奏が、20年前、電気化に走り疲れてしまったジャズが
アコースティックで息をふき返す小さなきっかけになったやうな気がします。