rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

メディアの堕落が止まらない

2023-05-01 15:11:01 | 社会

前回のブログでスーダンの内戦問題と、それを何故今起こったのかの背景をメディアが報じない問題を取り上げました。それには権力に阿る主要メディアの問題があり、まさにそのタイミングで他メディアが触れない「巨大権力による横暴」を批判していたFOXニュースのタッカー・カールソン氏が解雇されるという事件があり、それも取り上げました。タッカーカールソン氏は解雇の原因になったと推察される巨大製薬企業などを痛烈に批判した放送で、メディアの堕落・買収・カネまみれ(Corruption)を第一にあげていました。

 

I.  市民ジャーナリストJose Vega氏の追求にグーの音も出ないメディア幹部

upper manhattanにある名門コロンビア大学が主催した公開講座「民主的メディア構築のために」

 

2023年4月25日、New Yorkコロンビア大学のジャーナリズム学科で、2日を費やして「民主的なメディアを構築するために」という公開講座が開かれ、初日の午後からの1セッションとして「政策とメディア」(Policy and the Press)と題するパネルディスカッションが開かれました。パネラーとしてNY times, LA times, Washington Post, Reutersという米国を代表する主要メディアのチーフエディターが招かれて討論する企画でした。そこで開始10分程度の所で聴衆であった市民ジャーナリストのホセ・ベガ氏が立ち上がり、

語る内容がちがうだろう!と訴えるVega氏

「 ああ、ここはシーモア・ハーシュ氏の「米国によるノルドストリーム破壊の暴露」について討論する場であると思っていたのにどうしたのですか?この問題は今世紀最大の「政策とメディア」に関するスキャンダルです。あなたはNY Timesの編集長でしょう?あなた方はペンタゴン・ペーパーやウオーターゲート事件を暴露した同じメディアの責任者ですよね。この20年あなた方は政府に逆らって真実の報道をしましたか?イラクも虚報、シリアも虚報、ロシアゲート、まったくの虚報。ゼレンスキーは開戦1年目にモスクワを爆撃して世界を第三次大戦に巻き込もうとしたのに、一切批判も報道もしようとしない。タッカー・カールソンはシーモア・ハーシュではないが、戦争を堂々と批判してFOXを頸になった。あなたたちは臆病者だ。ジュリアン・アサンジが、あなたたちがやるべき仕事をして代わりに刑務所で健康を損ねている間、あなたたちは成人病の検査を受けている。このイベントは「メディアと言論の自由」を構築するためのシンポジウムだ。さあ、これらについて討論してください。」

(原文はここで読めます)

と追求しました。壇上のパネリストたちは痛い所を指摘され、苦虫をかみつぶした様な顔で呆然と黙り込むばかり。これが本当に一流メディアの主幹達なのでしょうか?

苦虫をかみつぶした様に黙り込む大メディアの主幹ジャーナリスト達

 

Vega氏によると、「メディアと言論の自由」を訴えた彼はこのあとコロンビア大学の警備員にタックルされて会場からつまみ出され、この後のシンポジウムでは何事もなかったかのように、彼の訴えもシーモア・ハーシュについても一切語られなかったという事です。メディアの堕落の実態を世間に知らせたと言えます。彼らには既に「ジャーナリストの良心や矜持」といった精神は全くないのでしょう。Judge Napolitano氏が結論づけるように「メディアは市民の目や耳であるべきで、政府の言論代弁者(マウスピース)であってはならない」のです。

市民ジャーナリストVose Vega氏とNapolitano氏の対談you-tube

 

II.  雑誌「選択」の堕落

 

雑誌「選択」は三万人の情報誌と銘打って、定期会員から年間1万2500円を徴収して、電通などを通じて広告収入を得るために制限がかかる大手メディアでは報道できない大企業の内情や政府官僚の問題点など深堀した記事を載せる事で定評のある雑誌です。私もquality paperとして一目おいてこの20年愛読していました。しかしウクライナ戦争が始まって、編集長が何故かロシア出禁リストの50番目にアップされるなどして、ウクライナ戦争については一方的に反ロシアの態度を取ってきました。それでも真実を報道した上で「本誌の立場はウクライナ支援です」とか「グローバリズム支持の立場」から言論します、と断って記事を載せている分には問題ないのですが、ウクライナ側に都合が悪い情報は載せず、むしろ「明らかな虚報」を元に記事がかかれるようになって、さすがに私も編集部に苦言をメールの形で送りました。今回の米軍内部文書リークでも明らかになった米軍情報の虚報部分の指摘や「米軍や米国政府の関係者の談話を情報源にするのは良いが、メディアに乗る事を前提に出された情報はプロパガンダなのだからそのまま載せるのではなく、解釈を加えてカウンターであるロシア側の情報と比較して載せるべきだ。」という控え目な意見を送りました。今までも医学的内容で「ここはおかしい」といった疑義を送った時には丁寧に返事が来ていたのですが、今回は2回別々の要件で疑義紹介をしたにも関わらず、一か月経っても一切返事がきません。NHKと同様、企業の広告料ではなく、読者の購読料で成り立つメディアとして、スポンサーである読者からの照会に「当社の編集方針なので・・」レベルの返事も返せないというのは完全に「ジャーナリズムの堕落」以外の何物でもないでしょう。残念なことです。

 

III.  反ジャーナリスト「高橋清隆」氏

高橋清隆氏

日本にも市民ジャーナリストと表現しても良い「政府や大手メディアが報道しない」情報を地道に情報発信するジャーナリストが多数おられます。反ジャーナリストを名乗る高橋清隆氏もその一人で、氏のブログ「高橋清隆の文書館」で活動の一端を伺うことができます。4月29日には羊の様に飼いならされる事をなくす「No-Sheep」運動の協賛で講演会をされており、ブログで内容を見る事も出来ます。私はアベノミクス批判で不祥事冤罪の嫌疑をかけられて政府の委員を追われた植草一秀氏が運営する政策連合「オールジャパン平和と共生」の講演会で、高橋氏が「新型コロナワクチン被害者遺族をつなぐ会」の活動をジャーナリストの立場で報告されたので知り合いました。次回は5月21日に横浜駅近傍の神奈川県民センター会議室で「誰も伝えないメディアの虚構」という題目で講演をされます。

 

報道は日常生活には必要不可欠なものと思いますが、それは「悪意」を持って支配者が「無力な一般大衆をコントロールする手段」として存在するべきではありません。初歩的な小学校レベルの認識ですが、民主主義においては、市民が自分の権利の一部を代表である行政府に預けて社会秩序を構成しているのであり、メディア、ジャーナリズムはNapolitano氏が結論づけた様に「市民の目と耳」として大衆の現実を報道し、行政府の暴走を監視する役割があるのです。特に巨大資本が権力と一体化しつつある21世紀においては、「巨大資本に取り込まれない矜持」こそがメディアが「本来のメディア」として生き残る「唯一の条件」と言えると思います。

コメント (1)
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