英国海軍の艦上攻撃機フェアリー・バラクーダを作りました。Eastern Expressはロシアの模型メーカーで、模型の出来は1960年代の100-200円で売っていたプラモデルと同レベルであり、珍しい機種であったので購入したのは15年以上前ですが内外装などかなりアバウトな作りであったので製作には気合いが必要と感じていました。
いろいろ自作して改造した部位 仕切りや航法士の人形、椅子、照準機など自作、連装機銃は他のプラモの余りを流用
Fairey Barracuda(オニカマス)は、一見して解る様にかなり特異な形状をした攻撃機であり、あまりに旧式であったフェアリー・ソードフィッシュ(メカジキ)の後継、複葉機のフェアリー・アルバコア(マグロ・フェアリー社の飛行機への命名は迫力に欠ける感あり)も1940年就役した時には日本の97式艦上攻撃機などに比べて時代遅れになっていたことから急遽開発が進められたものです。この決して空力的に洗練されたと言えない形状は、海軍省から出された航法・爆撃手用の下方視界確保用の大きな窓と急降下爆撃の要求が全ての原因です。下方視界確保のため、単葉の翼は胴体上方に設置せねばならず、艦上機でありながら異様に長い幅広の脚が必要でした。3名の乗員は翼の前後に長い乗員室を設けて配置され、上下に大きい胴体であるのに魚雷は機内でなく胴体下に懸架する必要がありました。結果的にMonoplane Air Tail (MAT)と呼ばれる投下後に外れる空中安定翼を魚雷尾部に装着する必要がありました。
急降下爆撃を可能にするため、急降下時には上方へ翻転するヤングマン・フラップを装着することになり、しかも急降下時にこのフラップで起こされる乱気流を避けるために水平尾翼は垂直尾翼上部に移動され、補強の支柱が追加される結果になりました。ロールスロイス・マーリン32エンジン1640馬力装着、最高速度390km、航続距離1,850km総重量5,987kgと重量級で運動性能は軽快とは言えず、戦艦ティルピッツの攻撃などが主な戦績ですが、Mk IIは1,688機が作られました。
エクストラダークシーグレーとダークスレートグレーの迷彩 特徴的なヤングマン・フラップ
モデルは後発のspecial hobby製1/48の作図など参考にして、コックピット内、機銃、吸気口、魚雷装着架、翼の取っ手、着艦フック、ASVレーダー用アンテナなど自作しながらゆっくり作りました。整合も予想通り悪かったのでパテなどで修正、ヤスリで削り込みなどして合わせました。上面はエクストラダークシーグレーとダークスレートグレーの迷彩(パターンもspecial hobbyの図を参照した)、下面はダッグエッググリーンです。アンテナ線は2本(図解世界の軍用機史 イギリス軍用機集1931-1945 グリーンアロー出版2002年)の図と箱絵は3本でどちらが正しいか不明ながら取りあえず3本として0.2mmの真鍮線で作りました。前任のフェアリー・ソードフィッシュと並べてみました。
MATを尾部に装着した魚雷。先端は実弾は黒。 複葉機のソードフィッシュは展示仕様なので先端が赤い訓練用の魚雷を装着している。
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