rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

元々人間は理論や科学に基づかない主張を好むものかも知れない

2022-05-13 23:16:33 | 社会

I.  元々人間は理論や科学に基づかない主張を好むのかも?

コロナ騒ぎやウクライナ戦争では、科学的理論や過去からの経緯を十分検証した上での議論ではなく、その場、その時点での状態で物事を判断してしかも大勢が決めつけた方針と異なる意見を批判し、封じようとする事例が多く見られました。これは今に始まったことではなく、戦争中でも「愚かな戦争だ」と本音では思っていても「始まってしまった戦争」には全力で協力し、協力しない人を批判する、といった事は普通でした。第二次大戦後の1946年に映画監督の伊丹万作氏が「戦争責任者の問題」という評論を映画春秋という雑誌に記したもので、一部抜粋すると

(引用)

戦争が本格化すると、「日本人全体が夢中になって互いに騙したり騙されたりしていた。」「このことは、戦争中の末端行政の現れ方や、新聞報道の愚劣さや、ラジオの馬鹿馬鹿しさや、さては町会、隣組、警防段、婦人会といったような民間の組織がいかに熱心にかつ自発的に騙す側に協力していたかを思い出してみれば直ぐにわかることである。」そして騙す者がいても騙されるものがいなければ成立しない、(とした上で、)「騙された者の罪は、只単に騙されたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なく騙されるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるように成ってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任等が悪の本体なのである。」

(引用おわり)

と厳しく時勢の尻馬に乗っていた大衆の責任を看破しています。これは日本だけの問題ではないと私は思います。中国における文化大革命も今では愚かな所業と現在は中国人でさえ考えていますが、当時は先を争って波に乗った人達、紅衛兵の少年少女たちを応援した人達がいた事も確かです。人間の本性として、「勉学や努力を必要とせずに<他人を批判し、優位に立てる手法>を手にするとそれを使いたくなる」習性があるのではないか、と思います。そしてその習性は「大衆操作の手法」として権力者たち、利権で得をする人達にうまく利用されてきたのではないかと感じます。

 

以下の図に文革、コロナ、今回のウクライナ戦争を例に、「科学に基づかない、或いは非論理的所業」とその「もっともらしい理由付け」、大衆が大勢に従わない「反対者」に対して攻撃手法とする「使いやすいレッテル」「決めつけ」、そしてそれらの陰で得する人達についてまとめてみました。

結局大勢に従って反対者を批判している大衆は「得するヒト」にはならず、被害者でしかないのですが、何故か非論理的・非科学的所業の推進役になってしまている所が伊丹万作氏の「大衆の戦争責任論と同根」になっていると言えます。

 

誰が考えても「武器を送り続ければウクライナに平和が来る」はずがないのは明らかですし、冷静に過去のいきさつを検討すれば、2014年と2015年のミンスク合意が最も論理的・合理的な解決方法であった事と理解できるはずです。ゼレンスキー大統領も就任当初はロシアと和解してミンスク合意を実行するためにネオナチアゾフ大隊の本拠地「ゾロテ」に乗り込んで停戦するよう直談判する映像も残されています。

しかしアゾフ大隊の連中に「あんた何も解ってない、我々のバックには米国とNATOがいるのだよ。」と足蹴にされ、ゼレンスキーの後ろ盾であるコロモイスキーに「言う通りにするよう命令」されて現在の姿に変わっていったのです。

アゾフの本拠地ゾロテに乗り込んで隊長と談判する大統領なり立てのゼレンスキー氏

 

II.  精密兵器は整備が必要

 

ジェット戦闘機に限らず、一式二千万円、一発一千万円の精密対戦車兵器ジャベリンも、ひとたび不具合が生じた場合、どこが不具合か、前線でどこまで調整できるかは専門知識が必要なのは理解できるでしょう。自衛隊には武器整備の専門部隊である武器隊という組織がありますが、西側から大量に送りつけられる高額な精密兵器を管理整備する機構がウクライナ軍にあるのでしょうか。外国からウクライナ支援のために志願して加わった退役軍人たちは、軍としての管理のなさ、自分を守る小銃さえ自分で調達せねばならない様、ロシア軍の犠牲になる様ただ前線に送り出された経緯に失望して帰国する例が後を絶ちません。

ジャベリンは市街戦では役に立たないという報告もあります。これから大量の高性能兵器がウクライナに搬入されると、「得するヒト」で示した様に武器を売る兵器会社と、武器をブラックマーケットで転売する武器商人が我々の税金で大儲けをすることになります。ロシアは図で示す様に既に各地の核となる鉄道拠点を攻撃しており、それに対して英国諜報部はポーランドから陸路(トラック単体コンボイは目立つ)で武器を届けると宣言しています。コンテナ一台分のジャベリンがあると数億円単位の商売ができます。武器調達の高官が一言「何がいつどこを通る」とバラすと数千万の賄賂が入り、コンテナはロシア軍に破壊されて行方不明になった事にしていくらでも地下市場に流せるというシステムです。「もっと武器を」と言う不遜な顔は「笑いが止まらない」事を隠せないからでしょう。

ロシア軍が破壊したとされる鉄道拠点

 

III.  英国諜報部発の情報が多い訳

 

「ロシア政権内に亀裂」「プーチン癌で手術」「ロシア軍計画頓挫」「ロシア軍士気低下」といったどこまでがデマか分からない情報が英国発で日本のメディアでも垂れ流されています。諜報部発で、他の西側メディアが報じていれば「ウラ」など取る気もなくそのまま流すのが堕落した日本のメディアです。米国の情報機関よりも英国発が多いのは米国の方がまだ冷静に米ロ核戦争の開戦を怖れ、ロシアの動きを注意してみている愛国者が多いためだと思います。ブチャの虐殺とされる事態や、黒海でロシア海軍の「モスクワ」が沈没した際にも米軍の情報機関は冷静なコメントであったのにバイデン政権が先走って決めつけたような声明を発していました。恐らくはウクライナ戦争を裏で糸を引いている「一極資本主義陣営」は英国が主体であり、米国民主党を影で操って指示を出している。米軍や米国情報機関にはそれを快く思わない共和党支持者も多くいて一枚岩になっていないのが実情でしょう。

 

米国メディアでも比較的冷静な物もある

Newsweek 2022.5.17号    ロシア制裁に賛成してない国(灰色)deeply japan様から引用しました

 

CNN、MSNBC、英国のBBCやSUNといったメディアは「嘘も真実も含めた反ロシア報道」なので見る気も起きませんが、FOXやNewsweekといったメディアは冷静な分析が見られます。Newsweek5月17日号は、「ウクライナ戦争、バイデンが始める危うすぎる挑戦、ロシア弱体化の賭け」として米国が国家としてロシアの弱体化を目指すと明言した事で米ロ開戦に踏み込む危険な賭けだと警鐘を鳴らしています。また国連総会で反ロシア決議に「反対または棄権」した国の人口は地球の半分を超える、と中立でなくなった日本を含む西側の国は少数派であることも明確に示しています。

マリウポリなどアゾフ支配地域から解放されたウクライナ市民の人達が、ネオナチ・アゾフに人間の盾として扱われ、酷い扱いをされてきた事を隠さずに発信するようになって、西側が報道する「言葉少なくしか話さないウクライナ市民」との違いが明確になり、ウクライナの実態が次第に明らかになってきました。西側メディアの報道が全て真実であるならば、それに反する証言が少しくらい出てもあわてて削除する必要などないはずです。結局嘘はいつか暴かれる。西側のウクライナ支援がウクライナ国民の幸福を真に願っているものでない以上、文革の嘘と同様にコロナもウクライナ戦争も遠からず化けの皮が剥がれて嘘で固めた虚像は破綻することになります。


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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TIME 誌も1年前には (ルンバよりは賢い積り)
2022-05-14 10:08:26
TIME 誌も1年前にはアゾフ隊についての長文の記事を発していました。
写真の説明文や動画だけでも「アゾフ隊ってすご~い!(恐ろしさ1000%)」「悪魔教の儀式みたい」ということが分かります。今でも見ることができます。
https://time.com/5926750/azov-far-right-movement-facebook/?utm_source=facebook&utm_medium=social&utm_campaign=editorial&utm_term=world_extremism&linkId=108739896
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ブラウザによっては (ルンバよりは賢い積り)
2022-05-14 10:18:08
上↑で紹介した TIME誌の記事。記事の中の動画はブラウザによっては再生できません。Windows では Edge 、Firefox では再生可です。Brave では再生できません。他は検証していません
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無思考なのが、日本で生き延びるコツ。 (遍照飛龍)
2022-05-14 11:44:57
無思考国家 だから日本は滅びゆく国となった
http://my.shadowcity.jp/2022/05/post-24451.html

そりゃそうですよな。

だから、外交も合理的で論理的な「もっとも得する方法」を取らない。

まあ論理性をもって合理的に考えると、「組織罰が無い」「福一事故の責任を一切東電幹部が取らない」など、発狂の沙汰ですね。
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米中同盟の煙幕だった文革! (ローレライ)
2022-05-15 05:55:50
米中が同盟して世界的産業再編に向かう露払いと煙幕の役に立ったのが文革とベトナム戦争だったと後から解るけど、当時は毛沢東や ニクソンの意図はアメリカ人にも中國人にも判りませんでした!まるで忠臣蔵の大石蔵之助の采配である。
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破壊的カルト宗教では? (宗純)
2022-05-17 17:06:23
10年間続いた文化大革命が中国文化の破壊であった事実は明らかだが、一番被害が大きかったのが中国共産党であった事実が曖昧にされたままで誤魔化して、現在でも天安門の正面とか、中国人民元には今も毛沢東の肖像画が使われている。
同じく正体不明、奇妙奇天烈摩訶不思議な新コロ騒動も、間違いだったことは明らかだが、ほぼ文化大革命(毛沢東)と同じ扱いになって誤魔化している。
ウクライナ戦争の焦点である東部マリウポリの製鉄所地下のアゾフ大隊の負傷兵がとうとう投降したが、日本のマスコミや欧米リベラルメディアではロシア支配地域に移動したと、ほぼ昔の大本営発表(報道統制)?
これ等の現実世界を無非科学的な思考の数々ですが、オウム信者などの高学歴の破壊的カルトにソックリ。
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メディアの影響力 (rakitarou)
2022-05-18 06:46:45
皆さんコメントありがとうございます。
文革は少し異なりますが、やはりメディアの影響力は「刷り込み」という面で大衆に与える影響は大きいと思います。コロナも初手から現在の欧米メディア程度の冷静な扱いならば経済破壊にはつながらなかったでしょうし、パレスチナ問題で必ずしも「イスラエル極悪」と皆が認識していないのもメディアの扱いがロシアと異なるからです。
メディアの扱い通りに考えている人は、やはり繰り返される「刷り込み効果」が出ていると思われ、自分で疑問を持ち、詳しく調べ考察する作業を怠っていると言わざるを得ません。
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伊丹万作 (セコイアの娘)
2022-05-20 07:45:32
以前、伊丹万作の評論をネットで見かけ、時間を見つけてじっくり読みたい内容だと思っていたところ、タイトルを忘れてしまい、ずっと探していました。この評論です。やっと見つけた。ありがとうございます。
おかげさまで、じっくり読ませていただきました。
昭和21年筆ということですが、非常に今日的内容でした。
コロナ、ウクライナ、地球温暖化、まさに万作さんが看破している通りで、騙される側の責任と言う点に置いて、先の大戦と全く変わっていない。騙した側も騙された側も(といってもその境界は曖昧なわけですが。)「一億総懺悔」で終わらせてしまう無責任。
今こそ読むべき評論ではないかと思います。
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鬼畜米英、本土決戦、一億玉砕 (宗純)
2022-05-21 15:01:53
中国の文化大革命にしろ新型コロナ騒動にしろウクライナ戦争にしろ、深く考えれば考えるほど、なんとも理不尽で不愉快、意味不明で気持ち悪い原因ですが、
この三つの騒動に共通する要素とは、第二次世界大戦での日本型ファシズムの非科学的で自滅型の狂気のスローガン、「鬼畜米英、本土決戦、一億玉砕」のソックリ瓜二つ。劣化したカーボンコピーです。
2月24日のロシア軍ウクライナ侵攻の不思議な騒動の勃発直後に、
ゼレンスキー大統領(キエフ政権)が刑務所の囚人に武器を与えて戦うだの、一般市民には火炎瓶の製造で侵攻したロシア軍戦車と闘うだの、18歳以上の男子の出国禁止(強制徴兵)だのと、ほぼ大日本帝国末期の陳腐な「本土決戦」(一億玉砕戦法)言い出した。もちろん鬼畜ロシアも繰り返し主張して自分から退路を断つ玉砕戦。特にマリウポリのネオナチのアゾフ大隊には投降を否定する硫黄島の再来だが、
日本も欧米先進国も同じで、ウクライナの玉砕戦を批判するどころか天まで持ち上げる始末。今までの民主主義の基本原則とは正反対なんですよ。自主的に市民が戦う権利はあるが、逆に戦いを拒否して逃げる個人の権利を丸ごと否定するなど狂気そのもの。まさにファシズムです。

ただ、我が日本国では大日本帝国の正式な戦略が「鬼畜米英、本土決戦、一億玉砕」だった事実を新進気鋭の政治学者の白井総以外は最左翼の日本共産党を含め誰一人認めたくない。過去の悲しい事実を事実だと認める勇気がない。
だから今のウクライナが77年前の玉音放送までの日本のソックリさん(特殊なファシズム)である事実はもっと認めたくない。
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「有名人の自死報道 目を覆いたくなる展開にため息」 (宗純)
2022-05-22 10:39:57
5月22日(日曜日)の毎日新聞の連載コラム記事、
松尾貴史のちょっと違和感と、同じページの心療内科医の新・心のサプリ
疲れを抱え込まない=海原純
と1ページが丸々自殺をテーマに取り上げているのですから不気味。渡辺裕之と上島竜兵が自殺したがテレビや新聞のニュースでは単に「死んだ」としか報じていないので今まで死因を知らなかったが、「テレビで何回も放送したので誰でも知っている」と連れ合いに馬鹿にされる。、ワイドナショーで散々取り上げていたらしいが、見る習慣が無いので全く知らないままだった
読み返しても意味が不明の不可解な二つの毎日新聞コラムは、知り合いの自殺を嘆いているようにも、自殺をメディアが取り上げることが悪だと嘆いているようにも解釈できる、何時もの明快な松尾貴史の文章とは大きく違う、意味不明の駄文。言いたいことがあるが、忖度して言えないのでしょう。

中国の文化大革命、新型コロナ騒動(封鎖や規制による経済崩壊やmRNAワクチンの強制)ウクライナ戦争(ゼレンスキーの玉砕戦法)とは、限り無く自死に類似しているから、不愉快なのですよ。
通常の理論や科学的思考法ではなくて、しかも一切の反論(科学的な批判や検証作業)を否定する。今回の記事にもあるように、一部には確かに利益を得る者もいるにはいるが、これは悪魔の碾き臼「新自由主義」と同じで、システム自体が崩壊するので最後には全員が大損します。
コロナは3年前から、ウクライナは3カ月前からだが、基本的に自滅と言うか自殺と言うか玉砕と言うか切腹というか、辻褄が合わない「自死」なので続けることは基本的に無理。コロナはオミクロン株、ウクライナはマリウポリの製鉄所地下のアゾフ大隊の降伏で「終わっている」
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ゲイツさんの次の手 (rakitarou)
2022-05-22 13:11:31
ワクチン大魔王のビルゲイツ氏が次のパンデミックに備えよと言っていたそうですが、早速コロナ、ウクライナの次の手としてサル痘ウイルスを繰り出したようですね。昨年2月には世界発生のシミュレーションをして億単位の死亡を予測したとか。
まったく懲りない人達です。
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