rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

最期の賭けだったかもしれないウクライナのクルスク侵攻

2024-09-07 09:03:55 | 社会

ロシアはウクライナ全土の電気などの重要インフラに容赦ないミサイル攻撃を仕掛け、既にウクライナで電気が使えるのは30%あるかどうかと言われています。これは日常生活のみならず、補給や傷病者の医療にも深刻な影響を与えます。2024年の8月初旬にウクライナ軍はNATO指揮下に東部戦線から使える軍備を引き揚げてクルスク侵攻に踏み切りましたが、これは客観的にはPublicity Stunt(人目を引くPR活動)にしか見えませんでしたがゼレンスキー前大統領にとっては「最期の賭け」だった様です。つまりロシア軍の虚を突いてクルスク原発(核施設)を確保し、ロシアと有利な条件で交渉をする、或いはNATOを本格的に対ロシア戦争に引き込む、事を目的としていたらしいことがウクライナ軍捕虜などの証言で明らかにされています。

 

I.  沈む船から大挙して逃げ出す

 

NATOから供与された(オランダから?)虎の子のF-16戦闘機は、味方のパトリオットに対ドローン攻撃の混戦の最中に撃墜され、オレシュチュク空軍最高司令官は責任を取って罷免されました。NATOのIFF(Identity Friendly Foe)システムが対応しきれていない事が原因とも言われていますが、防空・防衛システムが不十分であり、混乱していることは間違いありません。

虎の子のF-16撃墜はウクライナ友軍か

クルスクに侵攻したウクライナ軍はほぼ壊滅状態で、残る軍を再び敗走しつつある東部戦線に再配置しているのがシルスキ司令官の現状であり、ロシア軍は大型誘導爆弾などで大きくロシア領内に引き入れて退却しきれなくなったウクライナ軍残党を殲滅しています。侵攻したウクライナ軍にとっては、戦車や装甲車などがほぼ破壊されて補給線が伸びた状態で陣地戦を強いられる最悪の状態と言えます。

沈む船から大挙して逃げ出す人達

 

9月初旬、とうとう沈む船から大挙して逃げるネズミの様にウクライナ中枢のメンバーが次々と辞任し始めました。外相のドミトロ・クレバ氏、法相のデニス・マリウスカ氏、戦略産業大臣アレクサンダー・カムイシン氏、ルスラン・ストレレツ環境・資源大臣、オルガ・ステファニシナ副首相、イリナ・ヴェレシュチュク副首相、大統領府副長官のロスティスラフ・シュルマ氏などです。逃げられないウクライナ市民が一番悲惨な目に遭います。日本国民はウクライナに戦争継続を応援することは止めるべきだ。

 

II.  軍事訓練センターミサイル攻撃

現地からは被害の悲惨な状況が報告されている。

9月3日のポルタヴァにある軍事通信教育研究所に対するロシアの極超音速ミサイル攻撃は、長年の中立政策を棄ててNATO入りを果たしたスウェーデンからの教官を含む200名以上(一説ではもっと)が死亡、300-500名が負傷したと言われ、米軍の現役中佐も非公式ながら(同日ポーランドで死亡と発表)犠牲になった様です。この攻撃で明らかな事は極超音速ミサイルによる攻撃は防ぎようがない、空襲警報が鳴ったと同時に避難する時間なくミサイルが着弾するという現実です。西側メディアはロシアのミサイル攻撃による民間人の死傷者数を発表しますが、多くは軍事施設を狙ったミサイルをウクライナ側のミサイルで撃ち落とした結果の破片などによる被弾であるため、死傷者が10名程度で済んでいるのであって、初めから居住施設を狙った場合は数百名の犠牲者が出るのが普通です。

 

III.  その他の戦術の進化

ウクライナ軍の実態は訓練不足による犠牲の増大が深刻と言われます。友軍への誤射で負傷する兵士も多いのが現実でしょう。軍歴を知らない日本人には理解困難でしょうが、戦場で撃つ、撃たないの判断を正しくできるようになるには訓練を含めて数年はかかります。それまでは経験豊富な下士官、兵に従う事が生き残る手段であることは洋の東西を問いません。そのような中でも戦争の長期化によって戦術の進化は進んでいます。

前回ある程度まとめて、2024年7月号の「紙の爆弾」誌にも発表しましたが、それ以降の進化として、(1)高精度ドローンの撃墜に安価な自爆ドローンが多用される、(ISR情報、観察、偵察の取得が開戦初期より困難になりつつある)(2)ドローンや通信の妨害技術が発達し、有線(光ファイバー)ドローンの有用性が認識され、偵察や車両への自爆ドローン攻撃に実用化、といったことが挙げられます。これらは既に中国軍ほか各国の陸軍戦闘教範に取り入れられて訓練で応用されると思います。わが陸上自衛隊の教範や戦術訓練も当然改定されつつあると期待しますが、その変化の速さは驚くばかりです。

ロシアで実戦に使用されている光ファイバー誘導ドローン

 

IV.  ネタニヤフの敵はハマス、ヒズボラ、イラン、ユダヤ教徒、政権内部、イスラエル国民

9月2日人質になっていたイスラエル市民6名が遺体で返還されたことに怒ったイスラエル国民は、真摯に人質解放交渉を行わずガザ虐殺を続けるネタニヤフ政府に対してゼネストを行いました。既にイスラエル経済は壊滅的打撃を受けており、政権内部からもネタニヤフ首相を批判する声が多く見られます。バイデン政権とAIPAC、米国議会はいつまで世界を敵にまわしてネタニヤフを応援し続けるのでしょう。一体何の国益が米国と米国民にあるのでしょうか?

 

V.  日本にも拡大する検閲産業複合体

9月6日発売の「紙の爆弾2024年10月号」に拙の論説が掲載されていますので、ご笑覧下さい。巻頭にカラーの図も載っています。


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