rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

レプリコンワクチンをめぐる問題

2024-08-31 13:54:28 | 医療

日本政府は2023年11月28日に海外で開発された「レプリコンワクチン」と呼ばれる遺伝子ワクチンを承認し、2024年10月1日から健常日本人への接種が開始される予定です。日本看護倫理学会は「緊急声明」として安全性の確立されていない自己増殖型ワクチンを医療従事者たる看護師たちに接種推奨する事に反対する声明を出しました。このきわめて論理的で真摯な声明に対して、より医学的専門家である医師会や専門の学会が沈黙している事の情けなさはいかがであろうかと思います。

暫くコロナワクチンについて論考していませんでしたが、現状で入手できる論文などから検討し得る自己増殖型ワクチンをめぐる問題について整理したいと思います。

 

I.  結論

 

まず結論から申すと、私はレプリコンワクチンを使わないと死ぬ確率が高い状態であれば「使う」ですが、新型コロナ予防のためには「使わない」です。以下にその根拠となる説明をしてゆきます。

 

II.  全ての感染症「X」に対する対応

 

全ての感染症「X」と表現します。は以下の図に示す4通りの分類と疫学的対応に分かれます。これを明確に分類・指示しないと経済や個人の対応が混乱します。今回の新型コロナに対する混乱で実証済みです。今年WHOが世界各国に強要した「新パンデミック条約」に対応するため、厚労省でなく内閣危機管理室が「新型インフルエンザなど対策政府行動計画」をまとめて、それに対してパブコメを募集していたのでrakitarouが送付した内容もこれに基づいています。

下図に示す様に、ワクチン接種が始まる前の2020年秋には、新型コロナウイルスがどんな変異種に変化しても(3)の感染力は強く毒性が弱いタイプであることは判明していました。ウイルスや細菌は自己保存(増殖)しやすい様に、変異するたびに毒性は弱くなり、感染力は強くなります。専門家にとっては常識中の常識です。だから2020年秋の時点でこのウイルスは起源が何であれ、今後人類に危機的状況を及ぼすことはないと判明していたのです。この科学的真実を政治的意図(経済的意図?)で明確に宣言しない政府やWHOは極悪以外の何物でもなく、人類の健康と命を預かる組織として信用に値しないということが解ると思います。

データが追える2024年2月まで、新型コロナ感染症は一貫して回復率は上昇し、死亡率は低下している。

 

III.  コスタイベ筋注用について

 

厚労省は、2024年10月1日以降に新型コロナウイルス感染症に対する世界に先駆けて接種開始となるJN1株(オミクロンBA2の亜種)に対する明治製菓ファルマのレプリコンワクチンの概要について5月29日に公開しています。内容は起源株(武漢株)を用いたレプリコンワクチンをベトナム人16,000名に対してデルタ株が流行している時期にファイザーのコミナティワクチンと比較した所、起源株に対して非劣勢(同等)の中和抗体価が6か月継続。有害事象はコミナティと有意差なし。BA.4-5(オミクロン株)対応の2価ワクチンを追加免疫した所、コミナティよりも抗体価が高く、有害事象は有意差がなかった。日本人に投与予定のJN1株に対してはマウスを用いた試験しかしていないが、良好な抗体価が期待できる、という内容でした。

厚労省発表のワクチンの効果についての実験結果(中和抗体価が増えているということ)

 

IV.  ワクチンとしての良い点、悪い点

 

後でレプリコンワクチンの構造(しくみ)や、ベクター型遺伝子ワクチンとの違い、遺伝子ワクチンが免疫寛容(免疫力が弱まる事)を起こす理由などを説明しますが、ざっと今回のレプリコンワクチンの良い点、悪い点をまとめます。

良い点  1)抗原にRBD(レセプター結合部位)(図)のみを用いているため、スパイク蛋白全体を抗原に用いた従来の遺伝子ワクチンよりも理論的には抗原原罪は起きにくく、ウイルスに変異が起きてもRBDが大きく変わらなければ抗体は有効である。スパイク蛋白全体を作らないので血栓などの有害事象が起きにくい可能性がある。2)mRNA自体にシュードウリジンを用いていないのでmRNA自体の分解は速やか。3)LNP(脂質ナノ粒子)をキャリアに使用できるため、ベクターとなるウイルス感染は不要。

今までのワクチンと異なり、スパイク蛋白全体ではなくレセプター結合部位(RBD)のみを抗原にしている。Nターミナルドメイン(NTD)や以下のS2部位が一つの蛋白となって、それが3本集まると(左の)スパイクタンパク質となる。また感染するにはRBDが活性化(UP)している必要があると言われる。

悪い点  1)健康な細胞に遺伝子増殖のためにαウイルスの一部を新たに感染させる必要があり、これが長期的に健常細胞と人体全体に与える影響について未知である。2)増殖のブレーキが設定されていないので、産生されるスパイク蛋白RBDがいつまで続くか、量的にどれだけ産生されるか個人差の想定ができない。3)抗原の大量刺激は免疫減弱を起こすIgG4産生の原因となる。4)遺伝子ワクチン全ての欠点である工業製品としての品質一貫性の保証がない(一定の割合で生物的に意味不明の遺伝子が製品に入る。コミナティは30-40%がどんな遺伝子か分からない状態だった)。5)生物の進化の過程を無視したワクチンであり、健常細胞の異物化による自己細胞障害の誘発(自己免疫疾患)、発がん監視機構の減弱化が起こる。

 

V.  レプリコンワクチンのしくみ

図に通常のmRNAと、自己複製機能を持つmRNAの違いを示します。目的抗原の遺伝子コードは、mRNAワクチンの場合は分解が遅いシュードウリジンを用いますが、複製型は細胞内で複製されるため、通常のウリジンが使われ、使用後は速やかに分解されます。しかしレプリカーゼとαウイルス由来の増殖プロモーターがあり、これにより細胞内の図の様に増殖工場が細胞膜内部にぶら下がる様に作られてmRNAが無限に?産生されて目的抗原蛋白が細胞内に作られるしくみです。このmRNA産生がいつまで続くかは不明で、ベトナム人への治験では6か月後も高い抗体価を示したことから、産生している細胞が死滅するまで続くと考えられます。個々の細胞の寿命はそれぞれで、消化管粘膜の様に数日のものから神経細胞や卵細胞の様に一生変わらないものもあります。筋肉内に投与された遺伝子ワクチンは、濃淡はあっても数時間で全身に広がる事は実験で証明されています。

尚、スパイク蛋白などの体外への排出(シェッディング)を問題視する人もいますが、私は単体で大量に体外に排出するとは考えられず、粘液や皮膚片などのゴミに付着して蛋白の破片が体外に出る可能性がある程度であり、それが他人に有害事象を起こすとはとても思えません。シェッディングによる有害事象を証明した基礎データや論文も皆無であり、これはワクチン問題全体を偽情報にすり替えるスピンドクターの可能性もあり、私は問題視しません。

 

VI.  遺伝子ワクチンと免疫寛容、IgG4増加

科学論文にまとめられた新型コロナワクチンの有害事象

スパイク蛋白を抗原とする新型コロナウイルスワクチンの直接的有害事象は、図に示される様に血栓や心筋炎など世界中で患者が出て報告されたために有名になりました。もう一方の間接的に時間をかけて出てくる有害事象が、種々の仕組みが解明されて明らかになってきました。総合的免疫力の低下、自己免疫疾患の増加、進行がんの増加といった事象です。中でも特殊な免疫グロブリンの一種であるIgG4の増加は、mRNAワクチンを2回以上受けた人に顕著に表れることが確認されていて、スパイクタンパク質への自然な免疫反応を抑制してコロナに罹りやすくなる他、過剰な抗原に反復して暴露することがIgG4の増加スイッチになっている事も指摘されています。IgG4によってウイルス感染への免疫が抑制されるしくみは、図の様に細胞障害性T細胞が感染細胞に作用する事をIgG4抗体が邪魔をすることによります。

IgG4によるウイルス感染症免疫の低下メカニズムとがん免疫低下のメカニズム

またがん免疫を阻害するしくみも図の様に抗体、細胞障害両方をIgG4が阻害する事が証明されています。

発がんのメカニズムについては、人体の各所で異物であるスパイク蛋白が作成されることで、宿主となる正常細胞が自己の免疫細胞から「異物産生細胞(がん細胞)」認定を受けて排除されようとする際に、自己免疫を抑制するPDL1を産生することが考えられます(図)。採血で証明できるワクチン接種者の末梢血細胞のPDL1増加は既に論文化されています。

抗原蛋白合成を強制された宿主健常細胞によるPDL1産生が、発がん監視機構を障害するメカニズムが考えられる。

 

VII.  ワクチン接種と超過死亡の増加

 

Unz ReviewのEugene Kusmiak氏は2024年5月に世界各国のワクチン接種数と超過死亡の相関についてまとめを発表しました。 2022年に国民一人当たりのワクチンを接種した回数と2023年の超過死亡増加率を国別にまとめた図が以下のもので、日本の接種数と超過死亡増加がいかに特異的か分かります。それによると相関式は

2023年超過死亡率=8.31x2022年の一人当たりワクチン接種回数

となります。

米国は州によってワクチン接種の積極度が異なりますが、2021年と22年の各州毎の住民一人当たり接種回数と州毎の2022年と23年の超過死亡率の増加(緑が21年、赤が22年の接種で示す)は明らかに接種回数によって超過死亡率が増加している相関関係があると思われます。

医療には必ずリスクが伴います。リスクよりも医療を行う事によるベネフィットが大きいならば、敢えてリスクを承知で医療を行う正当性が生まれます。ワクチン接種は健常人に対して行う医療行為です。医療を受けた結果病気になったり、増して死亡するなど絶対にあってはならない事です。その厳しさを理解せず、安易に予防医療(コレステロール低下や抗血栓治療含む)やワクチン接種を行ってはいけないのです。私はワクチン投与全てを反対する者ではありませんが、コロナワクチンに対する異論を簡単に「反ワク」などとレッテル付けして排除するようなレベルの低知能者は医療を語る資格はありません。医療を受ける時は必ずリスクとベネフィットを比較して熟考した上で、最悪の有害事象も受け入れる覚悟をした上で医療を受ける必要があります。


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