goo blog サービス終了のお知らせ 

Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

2013年の抱負

2013-01-01 11:16:31 | Weblog

2013年元旦。新年おめでとうございます!

で,「恒例にしたがい」今年の抱負を書いておきたいと思う。今年前半は「本を書く」ことを最優先としたい。約250ページ分の原稿を春頃までに仕上げるという「約束」を何としてでも果たしたい。なお,自分が書きたいと思っているのは「少し変な」マーケティングの教科書である。

2008年以降,現在の勤務先で教えてきた「クリエイティブ・マーケティング」という講義をベースに,自分がマーケティングについて重要と思う知識をコンパクトにまとめてみたい。とりあえずのターゲットは学生や実務家の卵だが,経験豊かな実務家や研究者にも読んでほしい。

なぜ「少し変」かというと,マーケティングのオーソドックスな枠組みを踏まえつつも,そこからはみ出したいと考えているからだ。標準的なマーケティング・サイエンスからもはみ出さざるを得ない。そんな本に需要があるのか,マーケターとしての本分が問われている・・・。

そこにかなりの時間を投入するつもりだが,研究を停滞させるわけにもいかない。当面急ぎたいのは,ここ数年準備してきたソーシャルメディア上の「影響」の測定,インフルエンサーが存在するかを問う研究だ。そのためにはデータ収集とともに新たな統計手法の習得が必要になる。

上述の研究は,ラベルを貼れば " Empirical Opnion Dynamics" になる。昨年から続く研究についてもラベルづけすると・・・

1)Customer Dynamics: 積年の課題であるロングテール研究と昨年から参加したサービス・サイエンスの研究は,ぼくの頭のなかでは顧客ポートフォリオのダイナミクスに関する研究として位置づけられている。スポーツビジネスでも同様の研究をしたいという夢・・・。

2)Creative Life Study: 昨年いただいた「仕事のクリエイティブ志向と消費」に関するデータの鮮度管理は「今度こそ」重要になる。そして,その延長線上に企んでいる「テイスト」に関する研究・・・。

3)Preference Dynamics: 残りの研究課題(ことばと知覚,予測能力,トレードオフ忌避)はここに分類される。いずれも既存研究のレビュー,理論構築が課題なので「読書」が必須である。その意味で,今年の正月,自宅に持ち帰った以下の3冊を早く読み終えたい:

サバイバル・マインド: 見失われた未来へ
下條信輔・タナカノリユキ
筑摩書房

上の本はまだ読みかけである。対談本だが中身が濃すぎて,自分の研究との関連を考え始めると予想以上に時間がかかってしまう(思いがけずご恵贈いただいた著者に深謝!)。カーネマンの2冊はすでに各所で話題になっている。誤解に基づく感想に左右されないためにも必読の書といえる。

ファスト&スロー (上)
ダニエル・カーネマン
早川書房


ファスト&スロー(下)
ダニエル・カーネマン
早川書房