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Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

2010年ゼミ合宿@清里

2010-09-18 23:39:21 | Weblog
9/16-18は清里セミナーハウスでゼミ合宿。2年生17人,3年生12人,4年5人が参加した。周りに遊びにいけるような場所もないため,3日間ひたすらプレゼンテーションと討議を行った。以下の写真は,参加人数がピークにあった2日目午後に撮ったもの。自分が何かひからびて見える! (^-^)



初日は4年に卒論の中間報告をしてもらった。テーマはそれぞれ以下の通り。

・コンビニの定価販売の行方: 消費者の視点から
・家電業界の環境ブランディング
・iPod と Walkman: 価格.comのユーザ評価の比較
・学生のクレジットカード利用を促進させるには
・学生の電子マネー利用を促進させるには

4年生は前期は就活で忙殺され,いまだに全員の就職先が決まったわけではない。今回の発表を聴く限り,ようやく卒論として,ぎりぎり形になりそうな感じになってきて一応安堵した(ただ,今回就活等で参加できなかった学生の場合どうなのか・・・)。あと数ヶ月,最後の踏ん張りを期待したい。

3年生はグループごとに「若者のクルマ離れを防ぐには」という問題に取り組んだ。彼らは前期で輪読した数冊のアイデア発想法の本からそれぞれお気に入りの手法を選び,それをこの問題の解決に適用した。ブレインストーミング,マンダラートブレインライティングといった手法が選択された。

マンダラートとは,3×3の表の中心に出発点となるキーワードを書き,その周囲に連想された事項を書いていく。それぞれのセルから,同様に周囲に連想を広げていく。こうして抽出された多数のアイデアの要素を整理・統合することでアイデア発想を行う。iPhoneアプリがあるので電車のなかでもできる。

ブレインライティングは,学生が見つけてきた。メンバーに6×3のマトッリクスを渡し,1行目に3つアイデアを書かせる。それを他のメンバーと交換し,2行目に1行目から発想したアイデアを書く。これを繰り返し,マトリックスを全部埋める(6人で行うことを前提としているから,6行ある)。

こうした取り組みから出てきたアイデアは以下のようなものだ(ぼくが「意訳」した部分もある):

・屋外にクルマのテーマパークを作る
・クルマを持つとモテるというユーモアCM
・車内を電子化されたエンタメ空間に変える
・地方都市を対象としたカーシェアリング

学生にこれらのアイデアを総合評価してもらったところ,1つの案を除いてあまり差がない結果になった。全員が一致して評価を最も低くつけた案は,独自に情報収集したり議論したりした証拠が示されておらず,アイデアも荒っぽい。学生の仲間に対する評価は,ときとして非常に鋭く,厳しいものがある。

2年生には「若者の新聞離れをいかに食い止めるか」かについて考えてもらった。前期の後半にグループごとに KJ 法を行い,それに基づくアイデアを提案してもらった。それらをラフにまとめると,以下のようになる:

・世界のローカルニュースを集めた新聞の発行
・自販機で紙面をカスタマイズした新聞を販売
・親がとっている新聞をもっと読ませる紙面の工夫
・若者向けのダイジェスト新聞,魅力的なクーポン

学生の評価は,ある案がダントツに高く,残りはダンゴ状態であった。圧倒的に低く評価された案がなかったのは,みんなそれなりに情報収集や分析に取り組んだ形跡があるからだろう。KJ 法のあとは完全に学生に任せての結果だから,good job だ。あとは教師が何を示唆できるか・・・。