HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

YOU'RE BLUES , SO AM I

2016-12-10 21:13:34 | ROCK

           

まずい。いや、まずくは無いのだが、ここまで凄いとは思わなかった。最初はブルーズの
カバー集でアルバムを発表するなんて話を知った時は「新曲が出来ないもんだから、
契約枚数消化の適当なやっつけ仕事だったらイヤだなぁ。」なんて思っていたのは事実。
流石はローリング・ストーンズ。長年ファンをやっているのに、「やっつけ仕事でもいいよ。
おじいちゃんなんだから。」なんてことも考えていた自分を恥ずかしく思っている。
それくらい、ストーンズの新作「BLUE & LONSOME」は格好いい盤であった。

確かに3日間で録音が終わった、なんていうとそんな考えが浮かんでこなくもないが、
最初のインスピレーションを大事にし、テイクを重ねた結果生じる可能性のある慣れあいや
惰性といったものを全く感じさせない緊張感が素晴らしい。

選曲も良いし、何よりボーカルを含めた各楽器の録音状態やギターやハーモニカ、それに
ストーンズ・サウンドの要であるドラムの音の作り方に至るまで完璧ではないだろうか。
今の私はECの熱心な聴き手ではないが、全12曲中2曲参加している彼のギターは一聴して
それとわかるので、ECのファンも喜んでいるだろう。

アルバム・タイトルにもなったリトル・ウォルターの曲のイントロのギターの刻み一つ
とっても、オリジナルに忠実でありながら2016年にブルーズを伝承するという行為の
尊さと意義を感じるといったら大袈裟か・・・。

ストーンズでさえブルーズの伝承をやっているのだから、後進は更に精進しなければならない
或いは、ストーンズでなければこれは成し得ないのか・・・なんてことを考えるのは
私のストーンズ者としての甘い側面なのだが、今回は傑作盤のリリースに免じて御容赦
願いたい。(笑)

先にアルバムの曲名を知った時、私家版でこれのオリジナルを集めたCDRを作ろうと
考えた。リトル・ウォルターはコンプリート・レコーディング集を所持しているし、これは
楽勝かと思ったが、エディ・テイラーの該当曲収録盤が無いことに気付きあっさり頓挫。
しかし、オールデイズ・レコードが掲載写真右の盤で原曲や別のブルーズ・マンによる
演奏を集めたCD「BLUES & LONESOME ROAD」を出してくれたおかげで、すぐに
聴き比べが可能になった。

これは2枚組でディスク2には初期のストーンズがカバーした曲のオリジナルを25曲も
収録してあり、しかも値段は税抜き1500円と破格。これは嬉しい。
ストーンズの今回の盤を気に入ったなら、こちらも手にいれて原曲の良さを知りそれを
踏まえてストーンズの盤を再度聴いてストーンズの凄味を味わうという無限ループの天国に
ハマるのも一興。

最後に収録されている『I CAN'T QUIT YOU BABY』を聴いて、ブルーズに借りたのは
題材でその実はオリジナリティーの塊だった「鉛の飛行船」に思いを馳せるのも良し。

ともかく。BLUES IS ALRIGHT.

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追悼 グレッグ・レイク

2016-12-09 20:01:47 | ROCK

グレッグ・レイクが癌により死去したとのこと。享年69歳。

正直なところ、それほど思い入れのあるボーカリストでもベーシストでもないが
今年は3月10日にキース・エマーソンが亡くなっているだけに、追悼したいと
思う気持ちが強く沸き起こってきた。EL&Pのファンの方々は「一体今年は何て年なのだ。」
と思っているかもしれない。

ザ・フーのファンとしては、04年に発表した『REAL GOOD LOOKING BOY』で
ベースを弾いたことを記憶に留めているのだが、グレッグの訃報を受けてザ・フーも
追悼コメントを出している。

R.I.P.

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ANOTHER TIME , ANOTHER PLACE

2016-12-06 01:12:46 | ROCK

  

掲載写真は怪しい感じのローリング・ストーンズの6枚組CD「ANOTHER TIME ,
ANOTHER PLACE」。63年から67年までのスタジオ・デモやテレビ出演時の演奏や
ライブを収録している。

普段なら完全スルーだが、6枚組で2068円と安かったのと、ボックスに使用されている
絵を気に入ったので購入した。この絵に描かれているブライアン・ジョーンズの処は本来は
ロン・ウッドが描かれていて、有名なブートレグのジャケットに使用されていた。

  この盤はアップグレードを常套句に
何度も再発されたタイトルで、私もLPとCDで所持している。で、この絵を「面白い」と
思っていたのだが、それの改訂版(?)として流用されたのが今回のボックスであり、
「それも、面白い。」と思った次第である。

この手の盤の常で、6枚のCDに収録された音は既に何らか形でブートレグとして流通した
ものであり今更なのだが、最近の不勉強もあって初期のアウトテイクを手軽に聴ける便利さ
を少し有り難く思ったり。今更と言えば、エド・サリバン・ショーやレディ・ステディ・
ゴーに出演した時の演奏を映像無しの、しかもテレビ音声をそのまま落としたような盤で
聴くのが、何だか昔のアナログ・ブートレグを聴いているようで懐かしい気分になったり
もする。

昔から言っていることだが、ブートレグにも歴史があり再発するなら多少の音質改善は
お願いしたいが、昔から知られるジャケットで再発するのが喜ばれるのではないかと
思うのがどうだろうか。因みに今回のボックスに収録された音源は過去にはこんな
ジャケットのアナログ・ブートレグで出ていた。

  
  

何だか懐かしい。(笑)いや、昔からブートレグの音質アップとか曲数増量とかには
振り回されてきたので、それについていけなくなった爺の懐古趣味に過ぎないのが
本当の処。いっそ、ストーンズもFZみたいに過去のブートレグから10タイトルくらい
選んで廉価ボックスシリーズで5セット(それだと50枚になるか)くらい出して
くれればいいのに、なんて思う師走の午前1時である。
 

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MY GENERATION

2016-12-05 00:29:42 | ROCK

      

ザ・フーの「MY GENERATION」がCD5枚組のスーパー・デラックス・エディションで
登場した。とりあえず熱心な部類のファンの末席くらいには位置していると思っている(笑)
ので、国内盤を手にした。

私がこの盤を最初に購入したのは勿論LPの時代で、高校3年の時に大学受験で東京に
行った時である。ジャケット右上には「BRUNSWICK」の代わりに「VIRGIN」のロゴが
入っていたことを不思議に思うも深く考えず、取りあえず手に出来たことを喜び、喜び勇んで
家に帰ると友人のカセットテープに録音してやったりしたものだ。通販でも利用しない限り
四国の田舎ではなかなか手に入らないシロモノだったのだが、受験だというのに一体私は
何をしていたというのか。(笑)

レコードの所持枚数が少ない時期でもあったので、それこそ何度も聴いたがジャケットの
格好良さはともかく、それほど内容的に好きな盤でもなく、同じく東京に行った数日前に
同じく受験で行った京都で購入した「WHO'S NEXT」の方に大きく針は振れていた。
本当に受験だというのに何をやっていたのでしょうね。(笑)受験に行っても親から貰った
交通費や食費を削ってレコードを買っていたのだから。

ザ・フーの歴史が30周年を迎えた辺りから頻繁にCDでの再発が繰り返されるようになり
私も「MY GENERATION」のCDを3度購入した。日本盤紙ジャケ(所謂ガール・ジャケ)
はさておき、私が購入した02年の2枚組DXエディションのステレオ版はミックスに
違和感がありピンとこなかったので、08年に出たオリジナル・モノ・ミックスでの初CD
には飛びついた。

しかし、02年版も08年版もジャケットの左上のレーベル・ロゴは消された状態であった
のが残念な感じであった。その後も何度か再発があったが(日本独自の組物もあった)
「もういいよ。」という気持ちが強くそれらはスルー。そしてようやく今回のボックスで
ジャケット右に「BRUNSWICK」のロゴが入ったブツを手元に置けるようになったわけで
たったそれだけのことが嬉しいのである。(笑)

勿論、23曲の未発表音源や、29曲の初CD化音源があったからこそ購入したわけで
音源的に価値が無い箱物なら購入はしない。iTuneのみで14年に発売されたリミックスに
どれほどの価値があるかの判別はしかねるが初CD化なら無価値ではないだろう。
ソノシートのみでリリースされたバージョンの「MY GENERATION」を含めれば未発表
音源は24曲ということになる。下記掲載の本に該当のソノシートは添付されていた。

  82年に出版された「MAXIMUM R&B」と
題された本は写真が満載だっただけでなく、巻末の詳細にデータや曲目が記されたシングルと
アルバムのディスコグラフィーは大いに役に立った。尚且つピートのデモ・バージョンの
『MY GENERATION / PINBALL WIZARD』の2曲が片面に収録されたソノシートの
添付がこの本の価値を高めていたものだ。これは85年頃に難波の「フォーエバー」で
購入した。

先に今回の5枚組ボックスは国内盤を購入したと書いた。ピート・タウンゼンドの解説の
和訳を読みたいと思ったのが国内盤を購入した最大の動機である。輸入盤との価格差が多少
あるが、それくらいは何でもない。

そういえば、以前キング・クリムズンの1STのスーパーDX盤の国内盤の予約をしていたら
バカ高い設定になったので輸入盤に切り替えて差額に幾らかぶっ足してバディー・ホリーの
コンプリート・レコーディング集を買うことにした、それが男前というものだ、なんて
記事を書いたところ、何処かで「そんなの男前でも何でもなく、単なる文句タレでしょ。」
みたいなことを書かれた。ご丁寧にリンク先まで掲載しての所作に、そこまでするのなら、
ここに直接書けばいいのにと思った阿呆な記憶が蘇ってきた。(笑)
ま、リスナーとしても実生活でもそいつより私のほうが男前なのは間違いないのだけど
それは自己満足のどうでもいい話。ロバート・フリップの日記やライナーの類は読んで
面白いので好きなのだが、あの時は価格差が余りにも大きかったというわけで、今回は
許容範囲であるということだ。

ピートのコンプレックスを我が事のように思っていた私は、今もロックを、ザ・フーの
音を聴き続けている。そして、そのことだけが本当に重要なことだと思っている。

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BLACK FRIDAY 2016

2016-12-04 00:58:44 | ROCK

今年のブラック・フライデイも気になるブツが幾つか出たので6枚のレコードを入手。
次々と出る大物の箱物に金を使ったので、今年は7インチを4枚だけにしようと当初は
思ったのだが、検索すると値段が高いこともあってかこちらが「多分これは早々に
売切れだろうな。」と思ったブツが残っていたので捕獲。

  
67年に出たキンクスの4曲入りEP「THE KINKS」はジャケ写でわかるとおり、アルバム
「SOMETHING ELSE」からの選曲。あのアルバムは4曲選ぶのは難しいくらい名曲が
揃っているのだが、個人的にいい選曲だと思う。

掲載写真右の「TILL DEATH US DO PART」は68年リリース曲を中心を集めた新規編集の
4曲入りEP。なかなかいいジャケット写真とデザインである。「THE VILLAGE GREEN
PRESERVATION SOCIETY」収録曲から選ばれた2曲が素敵だ。

  
先の2枚のEPが45回転なので、ジャケットをよく見ずにターン・テーブルに乗せて
回転数の違いに気付いた(笑)のが71年にリリースされたこれも4曲入りEP「GOD'S
CHILDREN」。アルバム「PERCY」から選ばれた4曲で地味なアルバムであったが
こうして7インチで聴くとまた違った愛着が湧く。

マザーズの7インチは66年にリリースされたシングルに新規ジャケットを付けたもので
ピンクのカラー・ヴィニール。オリジナル・アナログ・マスターを使ったMONO盤である
のが嬉しい。以前も書いたがアルバム「FREAK OUT」のMONO仕様はCD化されていない
ので、今更であるがこれを機会に(?)CD化してほしいところ。

  
ジミ・ヘンドリックスとストーンズは10インチでどちらもカラー・ヴィニール。ジミの
盤は69年の未発表スタジオ録音を3曲収録していて、散々ジミの未発表音源を聴いて
きたのに、それでもまだ新たな魅力に惹きこまれることを実感。

実はこれを書いている時点でまだストーンズの新譜は手元に無い。(笑)そろそろ到着
するだろうけど。それはさておき、新作がブルーズ・カバー集ということもあって、
このところのストーンズ関連のもの(CDジャケとかTシャツとか)は青色が基調になって
いて、この10インチも青色。片面1曲収録なので割高感があるが、50周年記念で出た
『DOOM AND GROOM』の10インチも片面1曲であったので、まあいいか。

というわけで、新作の中からここに収録された『RIDE 'EM ON DOWN』1曲しか、
まだ聴いていないのだが歪んだハーモニカを筆頭にギターやドラムスの音が物凄く気持ちの
いい音で録音されていて驚いた。これはアルバムが楽しみである。

次は来年の4月か・・・。

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G - SPOT TORNADO

2016-12-03 08:31:41 | ROCK

今年のFZ関連のリリースは凄まじかった。ベスト盤が1枚あったがそれ以外に
6枚ものCD(内、3枚組が1セット2枚組が2セット)がオフィシャル・リリースされた
のだから。FZ存命時でもこれほどのアイティムが1年の間にリリースされることはなかった。
強いて挙げれば79年に5枚のアルバムがリリースされたことがあるが、そのうちの
2枚は過去清算盤であった。まぁ、それでも新録音を3枚(LPの枚数にして5枚)
リリースしたのだから79年も凄まじかったことに異論は無いのだけど。

話を戻すと、これはそれまでFZの遺産や音源リリースをコントロールしてきた
ゲイル・ザッパが亡くなり残された遺族間での揉め事が少なからず関係していると思う。
ユニヴァーサルと契約したことで世界的に広く配給が可能になったことも大量リリースの
一因だろうが事の本質は遺産・財産争いである。

家はおろかFZの関連グッズまでが売りに出され現金化されているのは、新たなプロジェクトの
資金調達の側面もあろうが、要は大量に残されたテープをリリースして更なる現金回収を
目論んでいると考えるのは穿った見方か?ザッパ家の事情はともかく、私はこの状況を
一音楽ファン、一FZファンとしては歓迎している。なぜならそれだけ至福の時間が増える
事になるのだから。

過去にリリースされた盤が大量にあり、これからFZを聴こうとする人には更なる巨大な
山脈としてそれらは積み重なるのだろうが、それが抵抗感に繋がるか征服欲に繋がるかは
聴き手次第。今や番号が(賛否あろうが)#109までふられたアルバム群を集めることは
子供の頃にライダーカードを集めて番号順に揃えようとした私にとっては、少年時代の
延長戦をしている感覚でもある。(笑)

  
  今回の3枚はどれも素晴らしい。
#107「MEAT LIGHT」は3枚組。FZが過去にリリースした盤のPROJECT / OBJECT
シリーズの一環で69年に2枚組LPでリリースされた「UNCLE MEAT」のそれに充たる。
私は「UNCLE MEAT」は01年にリリースされたCDで聴いてきたのだが、それを
気に入っていなかった。音質が今ひとつ軽いというか痩せた音のように感じたのと、
ディスク2の冒頭にボーナス扱いで付けられた未完の映画「UNCLEMEAT」からの台詞や
音のパート(しかも1曲扱いで37分超え)が邪魔に思えたのが、その理由。

今回はオリジナルの69年バージョンでの収録で音質も迫力あるものになっていて、
やっと「UNCLE MEAT」の本質に辿り着けた感じがする。様々なスタジオ・アウトテイクや
関連曲のライブ・バージョンはぎっしりと2枚のCDに詰め込まれ、バリエーションを
楽しむにはうってつけである。

#108「CHICAGO ' 78」は78年9月29日のセカンド・ショーを収録した2枚組
ライブ盤。「JOE'S GARAGE」を製作する布陣での演奏で、ボーカリストのアイク・
ウィリスとドラマーのヴィニー・カリウタの個性が反映されている。

#109は72年の10月から12月のごくわずかな期間に行われたプチ・ワズー・ツアー
として知られる複数の公演から選ばれた5曲を収録した「LITTLE DOTS」。
人数が17人もいたグランド・ワズー期の音はあまり好みではないのだが、この時期は
ドラマーやギタリストが複数いるのはともかく、ホーンが6人いてキーボードレスという
編成が面白く、インスト中心の超絶ジャズ・ロックを堪能できる。

どれもこれも素晴らしい演奏、魅力的なジャケットであり、聴いて手にして満足できる。
来年も#115くらいまでいって欲しいものだ。(笑)

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