ザ・フーの「MY GENERATION」がCD5枚組のスーパー・デラックス・エディションで
登場した。とりあえず熱心な部類のファンの末席くらいには位置していると思っている(笑)
ので、国内盤を手にした。
私がこの盤を最初に購入したのは勿論LPの時代で、高校3年の時に大学受験で東京に
行った時である。ジャケット右上には「BRUNSWICK」の代わりに「VIRGIN」のロゴが
入っていたことを不思議に思うも深く考えず、取りあえず手に出来たことを喜び、喜び勇んで
家に帰ると友人のカセットテープに録音してやったりしたものだ。通販でも利用しない限り
四国の田舎ではなかなか手に入らないシロモノだったのだが、受験だというのに一体私は
何をしていたというのか。(笑)
レコードの所持枚数が少ない時期でもあったので、それこそ何度も聴いたがジャケットの
格好良さはともかく、それほど内容的に好きな盤でもなく、同じく東京に行った数日前に
同じく受験で行った京都で購入した「WHO'S NEXT」の方に大きく針は振れていた。
本当に受験だというのに何をやっていたのでしょうね。(笑)受験に行っても親から貰った
交通費や食費を削ってレコードを買っていたのだから。
ザ・フーの歴史が30周年を迎えた辺りから頻繁にCDでの再発が繰り返されるようになり
私も「MY GENERATION」のCDを3度購入した。日本盤紙ジャケ(所謂ガール・ジャケ)
はさておき、私が購入した02年の2枚組DXエディションのステレオ版はミックスに
違和感がありピンとこなかったので、08年に出たオリジナル・モノ・ミックスでの初CD
には飛びついた。
しかし、02年版も08年版もジャケットの左上のレーベル・ロゴは消された状態であった
のが残念な感じであった。その後も何度か再発があったが(日本独自の組物もあった)
「もういいよ。」という気持ちが強くそれらはスルー。そしてようやく今回のボックスで
ジャケット右に「BRUNSWICK」のロゴが入ったブツを手元に置けるようになったわけで
たったそれだけのことが嬉しいのである。(笑)
勿論、23曲の未発表音源や、29曲の初CD化音源があったからこそ購入したわけで
音源的に価値が無い箱物なら購入はしない。iTuneのみで14年に発売されたリミックスに
どれほどの価値があるかの判別はしかねるが初CD化なら無価値ではないだろう。
ソノシートのみでリリースされたバージョンの「MY GENERATION」を含めれば未発表
音源は24曲ということになる。下記掲載の本に該当のソノシートは添付されていた。
82年に出版された「MAXIMUM R&B」と
題された本は写真が満載だっただけでなく、巻末の詳細にデータや曲目が記されたシングルと
アルバムのディスコグラフィーは大いに役に立った。尚且つピートのデモ・バージョンの
『MY GENERATION / PINBALL WIZARD』の2曲が片面に収録されたソノシートの
添付がこの本の価値を高めていたものだ。これは85年頃に難波の「フォーエバー」で
購入した。
先に今回の5枚組ボックスは国内盤を購入したと書いた。ピート・タウンゼンドの解説の
和訳を読みたいと思ったのが国内盤を購入した最大の動機である。輸入盤との価格差が多少
あるが、それくらいは何でもない。
そういえば、以前キング・クリムズンの1STのスーパーDX盤の国内盤の予約をしていたら
バカ高い設定になったので輸入盤に切り替えて差額に幾らかぶっ足してバディー・ホリーの
コンプリート・レコーディング集を買うことにした、それが男前というものだ、なんて
記事を書いたところ、何処かで「そんなの男前でも何でもなく、単なる文句タレでしょ。」
みたいなことを書かれた。ご丁寧にリンク先まで掲載しての所作に、そこまでするのなら、
ここに直接書けばいいのにと思った阿呆な記憶が蘇ってきた。(笑)
ま、リスナーとしても実生活でもそいつより私のほうが男前なのは間違いないのだけど
それは自己満足のどうでもいい話。ロバート・フリップの日記やライナーの類は読んで
面白いので好きなのだが、あの時は価格差が余りにも大きかったというわけで、今回は
許容範囲であるということだ。
ピートのコンプレックスを我が事のように思っていた私は、今もロックを、ザ・フーの
音を聴き続けている。そして、そのことだけが本当に重要なことだと思っている。