HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

時差12時間の国から来た男

2016-12-18 17:17:39 | BRASIL

今年購入したブラジル物を少しばかり。以前から気になっていたアントニオ・カルロス&
ジョカフィの「MUDEI DE IDEA」が個人的にはハイライトといった処か。

       
71年にリリースされた彼らのデビュー盤である「MUDEI DE IDEIA」はファズを効かせた
ギターやオルガンの使用がジャケットまんまにサイケデリックで、英米のロックを
聴いているような錯覚を起こさせる瞬間もある。アルバム全体を通して飽きることなく
楽しめる好盤。この盤はジャケが2種あるが凡庸なもう1種に比べて、盤の内容を的確に
表しているこちらのジャケットでの再発で本当によかった。

ペドロ・サントスの「KRISHNANDA」は68年リリース。ジャケ買い上等で手にした
のだが、これが正解。打楽器奏者のソロであるが各種打楽器の特性を活かした音だけに
頼らない覚えやすいメロディーを持つ曲が多く、各曲の表情が多彩で楽しい。効果音の
使い方も素晴らしい。

       
アレトン・サルヴァニーニの「S.P / 73」は73年リリースの唯一のアルバム。
全て自作で自身が歌う曲とインストが交互に配され、特にインストは歌が無い分アレンジの
妙がよくわかる。弦楽器や管楽器の使い方や曲の展開がまるで良質な映画のサントラを
聴いている気分にさせる。ここでも効果音の使い方が絶妙。ここまでの3枚はおそらく
世界初CD化だと思う。

ジョゼ・マウロの「OBNOXIUS」は70年リリースのファースト・アルバム。これは
かつてCD化されたことがあるのだが、その時は入手しなかったので今年再発されたのは
嬉しかった。アレトン・サルヴァーニの盤と同じように各楽器のアレンジの妙が素敵で
サイケ者にも十分アピールする。マウロは76年に「A VIAGEM DAS HORAS」という
盤をリリースしているが、これは「OBNOXIUS」から5曲を再収録し残りは70年当時の
同アルバムのレコーディング・セッションからの曲で構成されている。これはCDに
なったことは無いはずなので、いつかCD化されることを期待している。

今回の4枚、いずれも英国のレーベルからの再発であるのが何とも面白い。

コメント
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