HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

いいなりのジャズ 2016

2016-12-21 18:23:37 | JAZZ

今年聴いた少しばかりのジャズから4枚。5月の記事でエヴァンス、ラリー・ヤング、
ハービー・マンの濃い盤を取りあげたのだが、流石にあれほどの濃さは無い。(笑)

       
おお、新譜ですよ。(笑)ビル・フリーゼルの「WISH YOU UPON A STAR」はタイトルから
伺える様に映画やテレビの主題で使われた曲のカバー集。透明な輝きを放つビルのトーンの
美しさと絡むヴィオラやドラムスもいい按排。日本では馴染みの薄い曲や選曲が古い時代の
ものばかりなので単なる雰囲気物のように捉えられる畏れもあるが、それも上等。

モンティ・アレキサンダーが75年にリリースしたライブ盤「LOVE AND SUNSHINE」は
オリジナル仕様では世界初CD化とのこと。米盤はジャケ違いで他の国ではこのジャケで
リリースされている。ジャズの有名な曲ばかりでなくスティーヴィー・ワンダーの
『YOU ARE THE SUNSHINE OF MY LIFE』を取りあげているのが私のような聴き手には
嬉しい処。ジャマイカ出身であることが関係しているのかもしれないがこの後も何度も
仕事を共にするアーネスト・ラングリンの参加も目を引く。

       
田中清司とスーパー・セッション名義の「BRITISH ROCK LIVE IN JAPAN」は72年4月に
朝霞ベース・キャンプで行われたライブ盤。A面は「TRIP TO WEST COAST FROM BRITAIN」と題された組曲で占められ、
デッド、パープル、アトミック・ルースター、マザーズ、ユーライア・ヒープに捧げる5つのパートを1曲に仕立て上げている。
何とも不思議な組み合わせの5組であるが、ジャズ的なアプローチが可能な5組ということ
だったのだろう。マザーズのファンである私にとってはマザーズのパートは食い足りないが。
B面はフロイドの『ECHOES』カバーとジミ・ヘンドリックスをモチーフにした曲で構成
される。日本のロックなりジャズなりが洋楽に憧れた時代の記録として興味深い1枚。

昨年から続いたカシミア・ステージ・バンドの全アルバム復刻プロジェクトも完結。
ただでさえレアなアルバムばかりなのに、75年の沖縄海洋博での演奏を収録したライブ盤が
あったとは・・・。バンドとしては最後のアルバムとなったのだが、もうこのジャケットで
ライブ盤が存在することだけで嬉しい。バンドが演奏しているステージ下の横断幕に
ビクトロンの文字があるのが時代を感じさせる。

というわけで今年も「いいなりのジャズ」であったのだが、ロック者が選ぶのに相応しい
4枚だったのではないかと思う。

コメント
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