ファット・ポッサムといえば、私には90年代のブルーズ・シーンを牽引したレーベルという
イメージがあるのだが、イギー&ザ・ストゥージズの新作がファット・ポッサムから出ると知って
何だか不思議な感じがした。不思議に思ったついでに調べてみたら近年はインディーズ・
ロックのレーベルとしても機能しているようで、ここでも私は時代についていっていないことを
思い知る。(笑)
思い知ったついでに、ここで取り上げるのがジンボ・メイサスの新作「WHITE BUFFALO」。
時にリチャード・トンプスンのようにも聞こえる歌唱、何も新しいことはやっていないのだが
昔からあるアメリカ音楽の良質な部分の継承、もうこれだけで何の注文もいらない
私にすれば直球ド真ん中の王道である。いや、歌唱に関してはダン・ベアードやトム・ペティーの
ような感じもあって、ますます私好みなのだ。
今どきのシーンと、ほとんどリンクしないであろうギターの音に聞き惚れるアルバムである。
それでもって歌心に溢れているのだから、他に何が要る?ってものだ。
ダート・ロードを走る車が似合う音楽といってもいい。MTVから流れてくるのが
こういう音楽なら、私も現役感覚を取り戻せるかもしれないが、それは無理な話だろう。
とにかく、私はこの盤を気に入っている。