レコード・ストア・デイにあわせてリリースされる7インチは様々で、新作からのカットがあれば、
未発表曲やバージョンを収録した「ボックス・セットの予告編」のような意味合いのものもある。
個人的に嬉しいのは、各国でかつてリリースされた時のスリーブ・デザインをそのまま使用した
再発盤である。
ルー・リードやストーンズ、MC5やストゥージズ等多くの再発7インチを手にして、気分満点の
そのスリーブに見入りながらレコードを聴くのは楽しい。例えオリジナル盤でなくても私の心を
多幸感で満たしてくれるのが、ここ数年のレコード・ストア・デイである。
我が国でもかつては、一部販売元が中心になって日本のロックやフォークの7インチを再発していた。
難点だったのは、例えば掲載写真の2枚は「ベルウッド7インチボックス」と銘打たれた10枚組に
収録されていて、つまりは10枚組故に高額であったということだ。グループ・サウンズ(G.S.)の
7インチ・ボックスも幾つか出たが、私は最初の1セットのみ手にして、後は断念した。
箱の中の10枚のシングル盤が、全て好きな曲であるなんてことは、なかなかないわけで
値段が高額なこともあって、気分が萎えかけた時にそんなものが再発されても触手が動かなかった
というところである。
それでも。先日某所で、再発7インチのデッド・ストック入荷とかで、かつては箱物に組み込まれていた
7インチがバラで売り出されていたのを見て「これなら好きな盤だけ買うことができる。」というわけで
下の掲載写真の盤を買った。
やっぱり、ジャケットがあるのがいいし、7インチなのがいい。再発盤だって可愛いものだ。
日本のレコード会社も、ライノやサンデイズドみたいに、かつての名シングル盤をレコード・ストア・
デイに合わせて再発してくれれば楽しいのになぁ、なんて思うのだけど。