HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

15.60.75 / JIMMY BELL'S STILL IN TOWN

2006-04-02 23:30:38 | ROCK
2001年に再発されたCDを手にとるまでは全く知らなかったバンド。
その名は「15.60.75」。ザ・ナンバーズと呼ばれるこのバンドを
気に留めたのは、紹介文をペル・ウブのデイビッド・トーマスが書いていたのと
「ロケット・フロム・ザ・トゥームス」と同じくクリーブランド周辺の
バンドであったことによる。

76年に発売されたレコードのプレミアはかなりのものらしい。
さて、内容は・・・。
異型のブルーズ、しかもねじまげられ強力に電化され、複数のサックスと
コンガが混沌に拍車をかける。そして唸るギター。か、格好いい!。
いみじくもライナーでデイビッド・トーマスはサン・ラやビーフハートを
引き合いに出しているが、然り。

このアルバムはライブ録音である。音の差し替えやオーバー・ダブなんて
気の利いた作業は施されて無いだろう。なんという熱気。
曲によってはMC5のような瞬間もある。ビーフハートよりはMC5だな。
MC5はライブ録音では、フリー・ジャズの影響下にあるような
長尺の演奏を展開することがあったが、ナンバーズはサックスが2本入る分、
もっとわかりやすくそのアプローチが聴いてとれる。

驚くべきはこの録音は75年に地元にやってきたボブ・マーリーの前座として
出演した際の録音であるということだ。マーリー目当ての客の評判が
悪かったことは想像に難しくないし、ライナーでもそう書かれてある。
しかし、この2者を同時に見ることが出来た観客はなんて幸運なんだろうと
思わずにいられない。音楽的に相容れるところは全く無いが、体内に残る
衝撃の度合いは等しいと思うのだがいかがだろう。

バンドは2000年代に入っても活動をしているようだ。
最近の録音物は耳にしてないのだが、いずれは聴いてみたいと思っている。
明日から年度始め、しかも4月10日には転勤が決まっていて
気が滅入りがちだったので、ひとつ気合をいれるべく引っ張り出した
このアルバム、このブログを見ている数百人の(笑)人たちの一人でも多くに
聴いていただきたい!

押忍!
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THE ARMS CONCERT

2006-04-01 23:22:07 | ROCK
1983年に行われた「THE ARMS CONCERT」のことは、雑誌の広告で知った。
つまりはブートレグLPである。ヤードバーズ出身の3人のギタリストが
一同に会するなんて、夢のような話だと思ったものだ。

ご存知の通り、このコンサートは脳脊髄硬化症に冒されたロニー・レインが
自身の治療費捻出と研究機関への援助の目的で開催された。
ストーンズもヤードバーズも大好きだったが、当時はまだロニー・レインが
どんな人なのかもよく知らなかった私は、単純にロック・ジャイアンツの
集合に興味があった。一番興味があったのはジミー・ペイジだ。
新バンドを組んでいるわけでもなく、映画のサントラも地味だったのに
どんなライブをやったんだろう・・・・と。

ブートレグLPは3枚組で高価なものだったので、買えるわけもなかったのだが
しばらくしてロンドンで行われたコンサートがビデオ発売された。
当時はソフトの値段が1万円を越えるのが当たり前だったのだが、先輩が
これを購入した。先輩の豪気さに感謝しつつ、ビデオを見せてもらった。
EC,スティーブ・ウインウッド、ベックとステージが進行し最後がお待ちかねの
ジミーさんだった。

「えっ?」。あの「永遠の詩」でのエネルギッシュなステージは何だったの、
というくらいヨレて完成度の低いもので、大いに落胆したことを覚えている。
「LAYLA」では3人のギタリストがソロを順にとるのだが、ECもベックも
なんだかペイジさんを立てようとしている感じすらして痛々しかった。
掲載写真はDVDで発売されたもの。LDで発売された時に購入したのだが
LDは全て売却してしまったので再度購入した。久しぶりに見たのだが、
今ならペイジの当時の状況を冷静に理解できるし、今では全てのアルバムを
愛聴しているロニー・レインの存在の大きさも了解している。
ロニーは残念ながら逝去してしまったが、このコンサートが当時のロック者、
ロック少年に与えた夢は今でも残っている。

ビデオで発売されたのは9月にロンドンで収録されたものだが、アメリカでも
12月に同様のコンサートが開かれている。こちらではジョー・コッカーが
スティーブ・ウィンウッドに代わって参加。ライブ自体もこなれてきて、
3人ともロンドンの時よりリラックスしている様が幾つかの映像で確認できる。
面白いのは12月9日、N.Y.でのものだ。
ECのセット・リストのほとんどがオミットされているのが難点だがこの日は
ロン・ウッドが参加。ボーカルはジョーが担当するものの、ロニーの持ち歌である
「SEVEN DAYS」を演奏する。ECがロニーに長々とソロをとらせようとするが
当のロニーは「もうええよ、大した準備もしてないし、このくらいで勘弁してよ」
ってな感じでごにょごにょと適当に弾くのが面白い。ECも「しょうがねえな」という
顔つきでニヤリと笑う。

ベックはがらりとセット・リストが変わる。「DIFINITLEY MAYBE」「BLUE WIND」
「PEOPLE GET READY」「GOING DOWN」はオフィシャルビデオでは見ることが
できない。特に「GOING DOWN」ではアンディ・フェアウェザー・ロウと
ボーカルを分け合う熱演だ。

ペイジさんの動きもいい。ただしこの人の場合動けば動くほど格好いいのか
悪いのかがわからなくなるから不思議だ。オープニングの「PRELUDE」
では曲の終わりに弓を持ち出してきて「おお!」と思わせるものの
一擦りだけして、弓を放り投げてニヤニヤしている。やはりヨレているのか。(笑)
重要なのはここでポール・ロジャースを引っ張り出したことだ。
後に結成する「ザ・ファーム」の布石はここでうたれたはずだし、
事実アルバム収録曲の「MIDNIGHT MOONLIGHT」も披露される。
12月2日のものはECのセットも完全に収録された映像があるので、より正確に
アメリカ公演の実態を見ることが出来る。

ちなみに先に書いたアナログ3枚組ブートレグは後に格安で入手できた。
多分「キ○ー製」と思しき単色刷りのジャケットに3枚のLPを押し込んだ
もので音質も劣悪。あれほど聴きたいと思っていた10代の頃の憧れは
全て吹き飛んだ。もちろん今は手元にありません。(笑)
コメント (2)
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