HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

THE BUNCH / ROCK ON

2006-04-21 19:42:12 | ROCK
1972年に発表された「THE BUNCH」名義の唯一のアルバム。
フォザリンゲイ解散後、サンディー・デニーのソロ・アルバム制作に
尽力していた、夫のトレヴァー・ルーカスが企画したカバー・アルバムである。

英国トラッドやフォークを基盤に置きながら、もちろん米国のロックンロールに
憧れを持ち続けた、そんな人たちのセッションである。
楽しくないわけがない。

今日は4月21日。まずはサンディー・デニーのことを書かないと。
ほとんどの曲でサンディーがコーラスをつけるか、リードをとる。
それも私の大好きなバディ・ホリーの「THAT'LL BE THE DAY」「LEARNING
THE GAME」では表情豊かな声を聞かせてくれるのだから、たまらない。

リチャード・トンプスンの男気はチャック・ベリー・ナンバー「SWEET LITTLE
ROCK'N'ROLLER」で感じ取れる。擬似ライブ仕立て?なのが疑問だが
格好よくキメてくれる。後にトンプスンと結婚するリンダ・ピータースが
広く名前を知られるようになったのもこのアルバムだろう。
「THE LOCO-MOTION」でのセッションはさぞかし楽しいものだったろう。

元々のLPは12曲収録で初回プレスのみに片面のみレコーディングされた
ソノシートがジャケットに挟み込まれる形で添付されていた。
2004年の日本盤紙ジャケ化の際には、さすがに音はでないものの、
紙製7インチも再現されてジャケットに挟まれていて、感動したものだ。

ボーナス・トラックも3曲。トレバー・ルーカスがボーカルをとる
「TWENTY FLIGHT ROCK」、「HIGH SCHOOL CONFIDENTIAL」は
時間の関係でオミットしたのかもしれないが、お蔵入りした理由が
わからないいい出来だ。リチャード・トンプスンのギターも幾分派手目で、
イアン・ホワイトマン(マイティ・ベイビー!)のピアノも
転がりまくる。リハーサルテイクしかない状態の「LA BAMBA」も
収録されただけで有難い。

それにしても。サンディー・デニーとリンダ・ピータースがコーラスを
つける図というのは、後付であるが想像しただけで軽く眩暈がする。
ロックのカバー集としてはもちろん、英国ロックの数あるアルバムの中でも
これほど楽しいアルバムはない。大推薦。
コメント (4)
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