HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

BROWN SUGAR

2006-04-04 21:46:00 | THIS SONG
かなり前の話だが「ブラウン・シュガー」という名前のシリアル食品が
発売された。意識したかどうかは知らないが、その商品のロゴはストーンズの
日本盤シングル「ブラウン・シュガー」の最初のジャケットに使われた文字と
酷似していて嬉しかったものだ。(日本盤7インチは3種のジャケがある)
食べたことはないのだけど。「ブラウン・シュガー」が精製前のヘロインを
指すスラングであることはよく知られるところだが、
黒人女性との性的ニュアンスをも含んでいるはずだ。
どちらも意味深であり、体験の仕方によっては美味しいものなんだろう。

ストーンズで好きな曲を10曲あげろといわれれば、私は必ず入れる曲でもある。
キース・リチャーズの5弦ギター奏法が完成の域に達し、ドラムスがタムで
リズムをキープするというのはストーンズ史上画期的だったと思う。
今でもストーンズはこの手の曲をつくるが、どれも楽しいものだ。
間奏のソロをギターではなくサックスがとるのもいい感じだし
隠し味のアコギやマラカスも気分を高揚させる。
ベスト盤「HOT ROCKS」の初回プレスに誤って初期のミックスのものが
収録されたが、それと完成盤を聞き比べると、正規に世に出たバージョンが
いかに素晴らしいかがわかる。

今回掲載した写真はボブ・ディランのブートレグである。
先日、クラッシュの「ロンドン・コーリング」を演奏したブートレグが話題に
なったが、2002年のツアーではディランは「ブラウン・シュガー」を
演奏している。しかもさわりをチョロットではなく、フル・バージョンである。
ストーンズが先立って「ライク・ア・ローリング・ストーン」をカバーした
返礼でもないだろうが、これが面白い。
バンドはほぼストーンズ・バージョンに忠実に演奏するが、なにしろ歌うのは
自分の曲でも大幅にライブでは節回しを変えるディラン先生である。
湯船につかって唸ってもこうは気持ちよくヨレることはあるまい、というくらい
いい感じで歌ってくれる。

”I BET YOUR MAMA WAS A TENT SHOW QUEEN"のところからバンドの
メンバーとのダブル・ボーカルになるが、このボーカルが大味である。
そうなってくると、キースさんの適当なように見える歌唱に大いなる
歌心を再確認できるから不思議だ。いや、私はもともとキースさんの歌は
大好きなんですが。終盤お約束の「YEAH,YEAH,YEAH,HOO!」という箇所は
バックのメンバーは歌うもののディランはこの部分は歌っていない。
恥ずかしがらずにやってくれたらよかったのに。(笑)

今回のストーンズのツアーではキースは72年のテレキャスター・カスタムを
使用した。78年や81年のツアーでの使用が印象に残っているが、久々の復活では
ないだろうか。スペインでのイベント、「ギター・レジェンド」
でディランとキースが競演した時に、ディランはテレキャス・カスタムを
弾いていたが、あれはキースが貸してあげたものなのだろうか。
そういえば、ディランは以前キースの前で「俺はブラウン・シュガーを
知ってるよ」といってさわりを弾いたことがあるという。

キース曰く。「で、ディランが弾いてくれたのは”ビッチ”だった。」
コメント (6)
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