今日を生きよう

「パワー・ポップ」という言葉には、不思議な魅力がある。
ロックでなく、ポップという言葉が使われるのに、とてつもなく力強く
尚且つ軟弱で無い感じなのがいい。ギターもドラムもラウドに鳴っているの
だから。ラズベリーズもそんなグループの一つだ。プロデューサーの
ジミー・イエナーはグランド・ファンク・レイルロードや、ベイ・シティ・
ローラーズを手掛けたこともあるので、双方のバンドの良いところが
ラズベリーズに集まったように感じることもある。稀にだが。

掲載写真は２００５年のリユニオン・コンサートを２枚のＣＤと１枚の
ＤＶＤで捉えた「LIVE ON SUNSET STRIP」。往年のハーモニーと力強さの
バランスは保たれ、何より曲の瑞々しさは今でも有効だ。
オープニングの「I WANNA BE WITH YOU」で、いきなりギアはトップに入れられ
続く「I CAN'T EXPLAIN」で私は仰け反る。今更のザ・フー・カバーは
嬉しい限りで、このバージョンをザ・フー・カバー集に使うことにした。
そして、３曲目に「PLAY ON」を続けられれば、自分が「すかんち」の
ファンだったことを思い出すことになる。ラズベリーズの面々にとっては
どうでもいいことだろうが、冒頭の３曲は私にとっては最高の３曲だ。
次は「TONIGHT」で・・・・いや、もう素晴らしい。

オリジナル・メンバーでの復活なのが往年のファンには嬉しいところだろう。
サポート・メンバーも多いけれど、気にしない気にしない。
このＣＤのブックレットの最初のページにはブルース・スプリングスティーンが
書いたライナーが掲載され、次のページにはラズベリーズのシャツを着た
ジョン・レンンの写真が掲載され、メイ・パンが短い文を寄せている。
いかにラズベリーズが愛されたかがよくわかる。

気にしなければならないのは、商売方法で・・・。
一般に流通する「LIVE ON SUNSET STRIP」は２５ドルほどで購入が出来る。
ここに添付されたＤＶＤでは５曲の演奏を見ることができるのだが
フル・レングスでコンサートを捉えたＤＶＤ（２１曲収録）が収録された
「スペシャル・エディション」なるものもある。ラズベリーズのＨＰで
購入可能だが現在のところ、１２５ドル払えばサイン付きで購入できる
ようだ。送料に更に２０ドルかかることを考えれば、「う～ん」と
唸ってしまい、ＨＰを閉じてしまうのであった。
ＤＶＤのほうは正直言って私個人は「絵的に辛い」と感じたので、通常版で
十分だと感じたし。

明日も大事だが、まずは今日を生きよう。