題名のない音楽会2016.02.21放映山田和樹指揮「指揮者のわがまま音楽会」批評
録画を今朝観た。毎週録画しており、倍速再生でいつものように開始したのだが、プロコフィエフ交響曲第1番第3楽章の音が出てすぐに巻き戻して、通常速度で聴き始めた。これって、「リハーサル無しかよ! マジ?!」
正直「リハーサル無し」の演奏水準では無い。謎解きは、番組最後まで観ると「あぁ、そうか」と判った点もあるが、観た瞬間は「驚愕の世界」だった。この「指揮者のわがまま音楽会」は4段落構成になっており、次の通り。
リハーサル無し
冒頭に書いたのが第1印象。楽章最後まで、アンサンブルが乱れることなく「リハーサル無し」とは到底思えない出来!
暗譜で演奏
モーツァルト「フィガロの結婚」序曲。大概の指揮者は「オーケストラメンバー全員が暗譜してくれていたら、自分の棒にもっと素早く細かく反応してくれるのに!」と心の中では感じているハズ。個別の楽器に(リハーサルとは違う)指示を出しても、視線が来ていなければ空振りになるからだ(泣
この日のオケは、横浜シンフォニエッタ。山田和樹が芸大生の時に作ったオケで、芸大学生オケからプロオケになった、が歴史。山田 の無茶な要求(?)に見事に暗譜で応えていた。確かに、「譜面台あり」に比べて細かな表情が出ていたようだった。
楽器配置をバラバラにしたい
プロコフィエフ交響曲第1番第1楽章。コンサートマスター=神谷未穂 を正面一番奥に配置したり、ごちゃ混ぜの配置。放送で山田自身は「良かった」旨発言していたが、「団子になった音」で第3楽章よりも聴き映えがしなかったぞ。我が家の AV装置 は、55型4K画面 + 16cmフォステクスフルレンジ + NEC A-10 なので画面も音も良いぞ!
オーケストラに歌わせたい
プロコフィエフ交響曲第1番第4楽章。呈示部は「各パートを歌う」で入り、途中から通常の楽器演奏に戻る。歌の「音程」が良いことにびっくり! だが、音量バランスは「奇妙」な感触。弦楽器パートは人数が多いから大きくなるし、管打楽器はパート1人だから小さい。『練習方法』として、有効なことは認めるが、「聴衆に聴かせる」モノなのだろうか?
後半の2つは「聴衆をお試しで楽しませる」趣向だろう。だが、前半2つは目を見張る(耳を見張るか?)効果を出していた山田和樹の棒には深く感心した次第である。
山田和樹 X 横浜シンフォニエッタ だからこそ成し遂げられた「リハーサル無し」「暗譜で演奏」
「リハーサル無し」については クナッパーツブッシュ が画面で紹介されていたが、晩年に大得意とする狭いレパートリーを超有名オーケストラばかりで振ったことは紹介無かった。日本にも(クナッパーツブッシュほどでは無いらしいが)「リハーサル嫌い」の指揮者がいるが、山田和樹ほどの集中力があるかなあ?
「暗譜」については ビューロー が画面で紹介されていたが、『オケメンバーの負担が半端無いこと!』をここに書き記しておきたい。コンサートマスター=神谷未穂 だけでなく、「プロオケの首席メンバー」が多数見受けられた = 横浜シンフォニエッタ だ。大体、山田和樹と同年代以下であるから、いかに若くしてポジションに登ったか!
そのメンバー面々が「オケ合わせ」の時間前に「暗譜」して練習に臨んだワケだ。推測になるが、「フィガロの結婚」序曲を演奏するに当たって、1回目のオケ合わせ前に「暗譜するほど弾き込んで来るオーケストラメンバー」は多いとは考えられない。横浜シンフォニエッタメンバーはその負担を担ってくれたのである。感謝!
山田和樹 は 日フィルで「マーラー交響曲全曲」、読響&N響定期登場 など、今最も注目されている若手日本人指揮者の1人。日フィルや読響やN響で「リハーサル無し」や「暗譜」は行わないだろう。
「わがままを通してくれる 横浜シンフォニエッタ だからこそ」の 山田和樹 の指揮者わがまま音楽会
が印象深い放送だった。山田和樹 & 横浜シンフォニエッタ & 題名のない音楽会スタッフ ありがとう!!!
私は、4つあったテーマの全て4つが素晴らしいと感じましたが、あなたは前2つが素晴らしかったけど、後2つはそれほどでは無かったと書いてらっしゃいますね。
確かに前半の方が印象深いですが、倍速再生で音楽を聞き取れるのですか?
大きな疑問を感じながら、読ませて頂きました。