Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

後藤泉リスト編曲「第9」批評(No.1717)

2009-12-06 22:03:03 | 批評
 ベートーヴェン/リスト の交響曲全9曲をレパートリーにしている、と言う伝説のピアニスト? = 後藤泉 は前から興味あった。私高本の個人的趣味もあり「初回は第9」が聴きたい! と思っていた。前回東京公演はピンポイント的にスケジュールが合わず、泣きの涙で先送りした。待てば海路の日和あり。本日聴くことが出来たのはラッキーだった!!!

有望若手ピアニスト = 後藤泉 のリスト編曲「第9」


 フランツ・リスト(1811-1886) はピアノ史上最も技巧的な曲を作曲した。その中でも以下の4曲は「極悪」と言って良い難易度の高さである。

  1. 超絶技巧練習曲 1837年稿

  2. パガニーニ練習曲 1838年稿

  3. 「巡礼の年」第1年「スイス」 初稿

  4. ベートーヴェン交響曲「第9」 ソロ版


 後藤泉 の演奏は「極めてベートーヴェンとリストに忠実」である。テンポは結構早め。やや前のめりになる。同音連打が返って来る前に打鍵する程の速さであった。「聴衆の満足度」を考えると、速過ぎだった可能性も考えてほしい。(ベートーヴェンのメトロノーム記号が速いので、難しい問題だ!)
 後藤泉は「ベートーヴェン寄りの第9」を描く。「リスト寄りでない」の意味だ。オケが「鳴っている感触」を常時醸し出す。
 これで「タメ」ができ、もう少し「静けさ」を聴かせるようになれば鬼に金棒だろう。


 ピアニストの調整不足なのか? ピアノの整調不足なのか? はわからないが、「連打」は利くハズ。さらにもう少しだけ「音色の変化」がほしいのは、ピアノの寸法が「コンサートグランド」でないからだろうか?
 「後藤泉 演奏会」で検索する限り、過去の評判はこの会場が最良だったので、大いに期待していた。7年ぶりに聴く「リスト編曲第9」は素晴らしかったが、後藤泉であればさらに1段上の世界を聴けると思う。次も聴いてみたい。

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