Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

作曲家論 : スクリャービン第5回 (No.1356)

2006-08-31 19:22:15 | 作曲・スクリャービン(1872-1915
 本日号は「注意報」を書く。

スクリャービン Michael Ponti 盤全集にだけはご注意を!



 私高本は、CDランクを付ける時に

  1. 是非聴いた方が良いCD
  2. 聴いた方が良いCD
  3. 聴いても聴かなくても益も害も無いCD
  4. 聴かない方が良いと思われるCD
  5. 絶対に聴かない方が良いCD

の5段階に分けて考えている。できる限り「トップランクだけ」を薦めることにしているが、「次のランク」を書くこともあるだろう。 しかし、スクリャービンを書いていて、これだけは書き留めなくてはならないことを思い出した。

カタログ上唯一の全集盤 = Michael Ponti 盤 は質が極めて劣悪!



ということを。 まずは先日、Best3 で紹介したピアノソナタ全集から。

ポンティ ソナタ全集 (Vox Box CDX 5184)



1,420円(税込)



  • 演奏   :☆
  • 資料価値:☆☆☆(← 曲数は多いが)
  • 音質   :☆☆


1973-1974年録音。
 私が薦めた「Best3」のどの演奏と比べてもらっても良い。「同じスクリャービンのソナタ???」と疑問を感じる「スカ」な演奏が全12曲延々と続く。
  • 楽譜面をさっさと表面だけ舐めて
  • 難しいパッセージはさらさらと音を抜いて演奏

であるから。 スクリャービンの魅力である「官能の世界」はどこにも存在しない!

ポンティ ピアノ音楽全集 (Vox Box CD5X 3606)



1,924円(税込)



  • 演奏   :☆
  • 資料価値:☆☆☆(← 曲数は最大であるのだが)
  • 音質   :☆☆


1973-1974年録音。
 5枚組で 1,924円だが、はっきり言って「高い」と感じる。弾けないパッセージを丸ごとカットしたり(Allegro op.4)など、無名な曲になるとやりたい放題! ソナタよりもさらに悪い。

 「スクリャービンの全てのピアノ曲を聴きたい」と思った人(← あっ、私高本もそれで手を出したのだった、、、)が、手を出し易いCDだが

「聴かない方が悪い先入観を持たずに済むので良い」レベルの演奏

である。 悪いことは言わない。 衝動買いだけは止めておこう! しかし「音質」も、Vox録音の中でも「最低」に近い。 キンキンとうるせえ!!!
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2 コメント

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ぽんてぃ (すくりゃん)
2007-07-08 00:21:21
ポンティ盤は音質が劣悪です。
弾き飛ばしすぎというのは同感です。
しかし例えば7番や9番などは案外そのぶっ飛ばした弾き方が曲の魅力の一面を出せているのではないかと思っています。
9は良い演奏の部類だと思っています。狂気が感じられて曲のポテンシャルが出ているように感じます。
最も良い9番の演奏はソコロフだと思っていますが、ポンティもものによっては聴く価値ありかと。
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私は結構好きですよ~ (ほろびっつ)
2012-02-15 14:50:47
たしかにピアノの音質は酷いですね。同感です。でも、演奏自体はかなりロマンチックな解釈で、私は好きです。スクリャービンのロマンチックな面を強調した演奏になってると思います。少なくとも、楽譜の音符だけと表面的に弾いた無味乾燥な演奏よりかは大分マシかなと思ってます。音色の陰影のつけ方とか、細かなニュアンスの出し方、旋律の歌い回しなど非常にうまいです。これでピアノの音色がよかったらいうことなしの全集になっていたと思います。ピアノの音色は悪いのは、使ってるピアノが悪いだけで、なにもポンティの演奏が悪いことにはつながらないと思いますし、ポンティのやりたいことは音色が悪くても十分に伝わってくると思います。
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