Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

作曲家論 : スクリャービン第8回 (No.1359)

2006-09-03 22:01:28 | 作曲・スクリャービン(1872-1915
 「推薦楽譜」号が「推薦CD」号に比べて、スカだった箇所判明。単純に「基準」が示されていないこと! わかったからもう大丈夫だ。 一昨日号も訂正しておいた。
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スクリャービン 推薦楽譜紹介 その2


 本日は「スクリャービン 推薦楽譜」輸入版を書く。

Dover版 スクリャービン全集 3分冊



前奏曲&練習曲全集 1,660円,マズルカ&詩曲&即興曲&その他の作品集 2,076円,ソナタ全集 1,764円(税込)



  • 推薦度  :☆☆☆☆☆
  • 正確さ  :☆☆☆☆(← 後期ソナタに若干の問題あり)
  • 資料価値:☆☆☆☆☆
  • 校訂報告:☆☆


1973-1991年出版。
 「作品番号が付いたスクリャービンの全ピアノソロ曲」を網羅した画期的な大全集である。安価に購入できる上、内容が充実しているので、全世界で用いられている。
  • 前奏曲&練習曲全集(原版 1966-1967)
  • ソナタ全集(原版 1964)

は全て「ソ連国立音楽出版所」版であり、ソ連が国家威信を賭けて編纂した楽譜のリプリント版。
  • マズルカ&詩曲&即興曲&その他の作品集(原版 1893-1972)

は、「作品9」のみ「ソ連国立音楽出版所」版で、他は「初版」出版社の「初版」または「同じ出版社から発行された1930年までの訂正版(← スクリャービン死後でも「出版社担当者」が生きていると推定される期間)のリプリント!

 「スクリャービン弾き」としては「作品番号の付いた全レパートリーを網羅する楽譜」であり、価値は極めて高い。
 たった1つだけ、欠点を申し上げると、ソ連を代表するピアニスト = オボーリン が校訂した「ソナタ第5番~第10番」に於いて、僅かながら「校訂漏れ」が残ってしまったことだ! オボーリン自身は「スクリャービン弾き」としては特に有名でなかったので、見落としてしまったのかも知れない。 私高本は、全部に目を通したワケではないが
  • 第6番作品62 P118 1段目2番目の小節 左手の16分休符は 「小節頭」が正しい位置(← 拍数が合わない!)
  • 第6番作品62 P122 3段目初めの小節 右手2拍目の2分音符 が 「C音 でなく 2度低いA音」

などは明らかな校訂漏れ。だが、校訂報告が無いので、自筆楽譜 or 初版楽譜 の問題をそのまま引き継いだのか、単なる誤植なのか、はわからない。
 練習曲&前奏曲全集 は、おそらく「問題皆無」だと思うが、私高本が見落としている箇所があるかも知れない。

 総じて言えば「作品番号付き作品」を全て弾きたいならば、Dover版がお薦め、である。 Peters版 などに比べても優位性が高いと思う。
 明日号も「スクリャービン楽譜」号の予定。
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