Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

「自作の詩」を超える詩を求めて「子供の不思議な角笛」に辿り着いたマーラー 後編(No.2153)

2012-10-27 22:39:28 | 歌曲作曲家・マーラー(1860-1911
マーラーは、「子供の不思議な角笛」1899年版を出版した時には

シューベルトも越した。ワーグナーも越した。オレが「世界一の作曲家だ!」


 これが、「偽らざるマーラーの感想」だったろう。

  1. 「オーケストラ伴奏歌曲」にてシューベルト超え


  2. 「アリア」としてワーグナー超え


  3. 「交響曲作曲家」として、シューベルト、ワーグナー さらに ベートーヴェン超え



である。この3点の視点から判断すると、確かに「超えた」と考えて良い点ばかり。特に交響曲では、「未完成」「グレート」の2作品しか有名曲が無いシューベルト、交響曲は1曲も完成しなかったワーグナー、「第9」のピッコロやコントラファゴット以上に自由自在な楽器を使った「復活」、どれをとっても一理ある!


 前編に記載した通り、「さすらう若人の歌」は「マーラー作詞」である。交響曲第1番「巨人」が「さすらう若人の歌」から産まれたのは、誰の耳にも明らか。しかも、交響曲第1番「巨人」は名曲である。だが、交響曲第2番「復活」と交響曲第3番と比較すると、「小じんまりしている」ことは誰の耳にも明らかである。先輩作曲家と比較すると、ベートーヴェン「第9」、ブルックナーの第2番以降 よりも時間的規模が小さいことも指摘できるだろう。


『交響曲作曲家』としては、ベートーヴェン、シューベルト、ワーグナー を越した可能性があるが、『歌曲作曲家』としては、シューベルトを越したのか?


 ここは、聴き手により意見の別れるところだろう。

私高本は『オーケストラ伴奏歌曲』と言う新しい分野を開拓したマーラーの功績は、極めて大きく「シューベルトに比肩」


と感じている。マーラー以降、「オーケストラ伴奏歌曲」は次々と作曲されたし。


 「作詞家」としても、「ワーグナー並み か それ以上」と思っていたマーラー。だが、「湧き上がる詩」は『規模が小さい』が難点だった。ワーグナーの「誇大妄想」どころか、シューベルトの2大連作歌曲の作詞家 = ミュラー よりも(内容は密であっても)「規模が小さい」のだった(爆涙


マーラーは「9曲の作曲練習 = 若き日の歌(第2集&第3集)」の準備をした上で、「不思議な子供の角笛」1899年版全13曲を作曲&出版した


 
コメント
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