Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

シューベルト:ドイツ舞曲D790(No.1814)

2011-03-26 23:00:38 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 シューベルト舞曲中、「21世紀では最高の人気作」である。「遺作3大ソナタ」のように、晩年の作品で出版が間に合わなかったわけでもないのに、この形では生前出版されず、2曲が抜粋されて「作品33」になった。

ドイチュは出来が D783(=作品33) よりも D790 の方が良いので、D790 の方が後の作品、と考えたほど


である。(完全な誤りだったが)

シューベルト舞曲の魅力の1つ = オーケストラ的響きがする


 D734=作品49のギャロップは、シューベルトの生前に(他の人のオーケストレーションで)オーケストラ編曲されて舞踏会で使用されたことが初版楽譜に明記されている。「シューベルト舞曲」は「ベートーヴェンのエコセーズ」などとは違い、オーケストラの響きが作品に内在している、と感じる。D734 だけでなく、全ての作品に共通しているだろう。


 多くのピアニストは「気に入った舞曲集だけ」を演奏する。中には「舞曲集から、さらに気に入った曲だけの抜粋」も多い。

作品9 → 作品18 → 作品33 と「シューベルト生前出版舞曲集」を弾いて来た 佐伯周子 の「楽譜の読みの深さ」


は、やはり深かった。「静けさ」が支配する世界が基調で、その上に「オーケストラのトゥッティ」が轟いたり、ホルンが鳴ったりするかのように聞こえる。


 スメタナ作曲:チェコ舞曲第2集全10曲 と比べると、シューベルト作曲:ドイツ舞曲D790 は「同じ舞曲ばかりが続く」小さな曲集だ。しかし、細やかなニュアンス は「シューベルト特有の魅力」を持ち、聴き手を魅了する。「佐伯周子のシューベルト」はソナタなどの大曲が名演揃いだが、実は「舞曲集」の出来も並んで良い。リハーサルを聴かせてもらった私高本は幸せな気分に浸れた。スメタナの舞曲の壮大な世界とは全く異なる「親密な世界」が聞こえる。
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