Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

フレッシュ名曲コンサート めぐろパーシモンホール批評(No.1799)

2011-03-06 22:47:17 | 批評
 信じられないほど素晴らしい演奏会だった。おそらく「音楽の友」などの批評には掲載されない演奏会だと思う。新日フィルの自催コンサートでなかったから。「目黒区民のための演奏会」なのだが、川崎市民の私高本も聴きに伺った。理由は唯1つ。

下野竜也のメンデルスゾーン「イタリア」が前回あまりにも素晴らしかったから


である。
 2009年のことである。「メンデルスゾーン生誕200年」だったので、在京オケも百花繚乱の演奏会を開いてくれた。その中で「メンデルスゾーン交響曲全曲演奏」をしたのは(見落としが無ければ)読響だけだった。まあ、第1番と第2番は人気が無い上に、「第2番は合唱付きでカネがかかる」のでやむを得ないと感じた次第である。
 ・・・で、読響の「メンデルスゾーン交響曲全曲演奏」に注目したのだが、1,2,4,5 を下野竜也が振って、3 を尾高忠明が振った。その中で最も感銘を受けたのが第4番「イタリア」だった。通常聴くのとは違う「異稿」演奏だったことも(2年前なので)記憶に新しい。名演だった。


 ・・・で、「下野竜也のイタリア」を聴きたい! と思って2年。やっと巡り会えた。オケは変わって、新日フィル。期待がやたら大きかったコンサートだったが、期待を遙かに上回る「イタリア」を聴かせてくれた 下野 + 新日フィル には感謝するばかり。本日は「通常稿」だったが、これが下野竜也の秘密の1つ。「全ての稿を知り尽くしている」のだ! う~ん、「通常稿」の方が流れが(私高本の耳には)スムースに聞こえたが、これは「稿」が原因なのか? 下野の解釈が深まったのか? などなど色々な原因が考えられて、解明はおそらく不可能。本日の演奏が名演だったことだけが断言できる。
 冒頭の同じメンデルスゾーン「フィンガルの洞窟」序曲も名演! 次のモーツァルト「フルートとハープのための協奏曲」は下野の指揮と吉野直子のハープに支えられて、若手の 押部朋子のフルートが伸びやかな演奏。休憩を挟んだ ドビュッシー「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」は 吉野直子 の独壇場。協奏作品では8型、メンデルスゾーンでは 14型 のオケだったが、これだけの名演に出会えたのは、本当に幸せである。2年前を越す「イタリア」に出会えて幸せである。アンコールは同じくメンデルスゾーン交響曲第5番「宗教改革」から第3楽章。下野竜也の演奏会は目が離せない!
コメント
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