Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

岡原慎也のシューマン観(No.1396)

2006-10-21 21:21:32 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
 本日は、はっきり「教えられた」と感じる。「表参道ヒルズ見学」のついでに、カワイ表参道店 に寄って、いつものように 「レッスンの友」 他のクラシック音楽雑誌をまとめ買いした。(← 「レッスンの友」HPでは、まだ最新号 = 11月号 に更新されていない!)

・・・で、東京メトロ に乗ってから読んだが「岡原慎也のシューマン観」に衝撃が走った。 この記事について紹介したい。
 『ピアニストの第1回の紹介 = 雑誌寄稿』 と言うのは、珍しいと思うが、ここに「ピアニスト 岡原慎也」の神髄があるかも知れない! と思う次第である。

シューマン = 「音楽の詩人」 この言葉の意味を明確に理解しよう!



 「岡原慎也」と言うピアニストの真価を知ったのは、1997年12月初。その前に1回聴いており、シューベルト「冬の旅」のピアノ伴奏が「うまい!」ピアニストと感じていた。今は亡き ヘルマン・プライ が ウィーン国立歌劇場来日引越公演にて「J.シュトラウス:こうもり」公演のアイゼンシュタイン役で来日した合間をぬった たった1回の東京での「バリトンリサイタル = 渋谷オーチャードホール での 冬の旅」のことであるので、今から12年前だったと思う。

 1998年12月の演奏会も「シューベルト:冬の旅」であった。他の曲(例えば シューマン「詩人の恋」など)であれば、聴きに行かなかった可能性が極めて高い。私高本自身が「シューマン歌曲」とか「R.シュトラウス歌曲」とかについては、興味薄いからである。

  1. シューベルト「冬の旅」全曲演奏会
  2. 以前、プライの「冬の旅」で良かったピアニスト
  3. スケジュールが「新国立劇場」の不手際で、直前に「空いた日程」だった

の3点セットで、全く知らなかった「ヘンシェル」のバリトンに拠る「冬の旅」を、旧「Daily Classical Music Critique in Japan」 に「推薦コンサート」として掲載した。 1998年11月末のことである。

・・・で聴いて、旧「Daily Classical Music Critique in Japan」創刊以来の感動があった。はっきり断言する。
  • 岡原慎也との出会いが無かったならば
  • 川上敦子 も 佐伯周子 も「演奏会プロデュース」することは無かった!

ことを。 岡原慎也からは、それはそれは深い音楽経験&考え方を教えて頂いた。「シューベルト」「R.シュトラウス」が話題の中心であり、「シューマン」については話を交わしたことは少ない。おそらく、「私高本のシューマン理解の低さ」を察知してくれてのことだった、と思う。
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 岡原慎也の「シューマン論」は 月刊「レッスンの友」2006年11月号 の【看板特集】である「没後150年。改めて考えるシューマン像」に寄稿した 5名の執筆者のトップに掲載されている。 他の4名も名だたる人ばかり! 全5編読んだが、「岡原慎也がトップ」は【内容】を判断してのことと私高本は感じる。
 岡原慎也の主張は、以下のようにまとめられる、と感じる。

  1. シューマンは「文学」について「シューマン以前の全ての大作曲家を超越して優れている」

  2. ピアニズムの限界を挑発するような楽曲は、「シューマン自身が断念した 超絶技巧ピアニスト」を想定している

  3. クララとの結婚前がピアノ曲の充実期、結婚後は歌曲へと移行


である。 1つ1つに詳細な解説が加えられており、極めて説得力に富んでいる。う~ん、何で「今」まで、岡原慎也にシューマンを教えてもらって無かったのだろう???

 岡原慎也が「シューマン・音楽の詩人」の題名で書いていることが、はっきり伝わる文章。是非是非購読してほしい。

 譜例に引用されている曲だけでも良い! 『岡原慎也のシューマン』が是非聴きたい。

  1. 蝶々 Op.2
  2. 謝肉祭 Op.9
  3. 幻想曲 Op.17
  4. 交響的練習曲 Op.13
  5. クライスレリアーナ Op.16

が引用されている「ピアノソロ曲」である。あなたも聴いてみたいと思いませんか? 岡原慎也のピアノで!!!
コメント
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