永い間、更新サボったことをお詫びします。この期間、ピアノ音楽はほとんど聴いていなかった。オペラ,オーケストラ,三味線 などなど。う~ん、復帰第1弾もオペラ。「デイリー」時代に戻ったか?
モーツァルトの「オペラセリア」中、最高傑作と認める人も多い「イドメネオ」が新国立劇場で上演された。
であり、
の両面が露わになった。
である。主要4役 + 脇役男声2名 + 指揮者 + 演出家 + 合唱 +オーケストラ に「ブラヴォー」が掛けられた公演。「モーツァルトオペラファン」ならば、1回は聴いておいた方が「生誕250年」に悔いが残らないだろう。座席は全日充分余裕ある、とのことである。
エッティンガーの指揮は「古楽器奏法を取り入れながら、安定した音」と言う路線。弦楽器のビブラートが不足する度に、要求していたが、ゲネプロ以前は違った様子で、東フィル弦メンバーは、相当に「薄いビブラート」であった。
「イドメネオ役 = トレレーベン」は、全歌唱が安定していて安心して聴けたのだが、「安全運転」系であり、私高本としてはやや物足りない。
「エレットラ役 = エミリー・マギー」は、第3幕のアリアだけは、『それまでとは別人?』と思わせる素晴らしい出来で、耳の肥えた新国立劇場聴衆から「ブラヴォー」を大いに浴びていたが、その前が、あまりに「小さめ」に歌っており、「1発に賭けた」感触が大きい。
藤村実穂子 + 中村恵理 は全出場シーン = 全力投球 の名演! であった。藤村の頭髪が「男カット」になっていたのは「地毛」に見えたが、確実とは言えない。視力の良い方の判断を仰ぎたい。
ワーグナー作品で名声を既に得ている 藤村の「余裕の声」も魅力あったが、今回が「主要オペラハウス 初主要役」の中村も、藤村に「声で伍して」の名演。もしかしたら、この2人は「今後10年の 日本の 女声」を牽引していくかも。
演出 = グリシャ・アサガロフ は、「台本に忠実」最優先。だから「台本が破綻している箇所」はそのまま破綻している。これはこれで立派な仕事。耳の肥えた 東京の聴衆も「ブラヴォー」だけを(少なかったが)浴びせていたことは印象深い。
合唱は素晴らしい! オーケストラも素晴らしい。 特に1番ホルン!
これだけの演奏を聴ければ「曲に感性が合う」人ならば、是非是非1回聴いておいてほしい。「モーツァルト → オペラブッファ」とか「イタリアオペラ → 悲劇に浸れる」とかの前提は、作品に合致しないので、好みに合わない人は避けた方が無難かも。
新国立劇場「モーツァルト:イドメネオ K366」2006.10.20批評
モーツァルトの「オペラセリア」中、最高傑作と認める人も多い「イドメネオ」が新国立劇場で上演された。
- 極めて丁寧に演出&演奏
- 「原作自体のほころび」がそのまま
であり、
- モーツァルトの次作オペラ「後宮からの逃走 K384」以降の傑作群の水準には「作品自体は達していない」こと
- 「ハ短調ミサK427」「フィガロの結婚K492」「ドンジョバンニK527」「魔笛K620」の4作品の先駆的創造物
の両面が露わになった。
- 最大の功績者は 指揮者 = エッティンガー
- 第2 = 新国立劇場合唱団(← 8声の合唱を完璧演奏!)
- 第3 = 東京フィルハーモニー交響楽団
- 第4 = 「イダマンテ役 = 藤村実穂子」「イーリア役 = 中村恵理」
である。主要4役 + 脇役男声2名 + 指揮者 + 演出家 + 合唱 +オーケストラ に「ブラヴォー」が掛けられた公演。「モーツァルトオペラファン」ならば、1回は聴いておいた方が「生誕250年」に悔いが残らないだろう。座席は全日充分余裕ある、とのことである。
エッティンガーの指揮は「古楽器奏法を取り入れながら、安定した音」と言う路線。弦楽器のビブラートが不足する度に、要求していたが、ゲネプロ以前は違った様子で、東フィル弦メンバーは、相当に「薄いビブラート」であった。
「イドメネオ役 = トレレーベン」は、全歌唱が安定していて安心して聴けたのだが、「安全運転」系であり、私高本としてはやや物足りない。
「エレットラ役 = エミリー・マギー」は、第3幕のアリアだけは、『それまでとは別人?』と思わせる素晴らしい出来で、耳の肥えた新国立劇場聴衆から「ブラヴォー」を大いに浴びていたが、その前が、あまりに「小さめ」に歌っており、「1発に賭けた」感触が大きい。
藤村実穂子 + 中村恵理 は全出場シーン = 全力投球 の名演! であった。藤村の頭髪が「男カット」になっていたのは「地毛」に見えたが、確実とは言えない。視力の良い方の判断を仰ぎたい。
ワーグナー作品で名声を既に得ている 藤村の「余裕の声」も魅力あったが、今回が「主要オペラハウス 初主要役」の中村も、藤村に「声で伍して」の名演。もしかしたら、この2人は「今後10年の 日本の 女声」を牽引していくかも。
演出 = グリシャ・アサガロフ は、「台本に忠実」最優先。だから「台本が破綻している箇所」はそのまま破綻している。これはこれで立派な仕事。耳の肥えた 東京の聴衆も「ブラヴォー」だけを(少なかったが)浴びせていたことは印象深い。
合唱は素晴らしい! オーケストラも素晴らしい。 特に1番ホルン!
これだけの演奏を聴ければ「曲に感性が合う」人ならば、是非是非1回聴いておいてほしい。「モーツァルト → オペラブッファ」とか「イタリアオペラ → 悲劇に浸れる」とかの前提は、作品に合致しないので、好みに合わない人は避けた方が無難かも。