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ベトナムからの笑い声vol.21「ストロングボーズ」@スペースイサン

2007-01-28 20:48:07 | 演劇レビュー
本年一発目の観劇。

今回もオムニバス三本立。
公演も終わったので遠慮無くネタバレアリで(って書くと普段は遠慮してるみたいだな。。。)

☆ACT1:プラスワンジョーカー
「“作家黒川”の妄想シリーズ第三弾」と銘打ってる。前回は「アクタガワリュウノスケ」でその前は「官能小説を書き続ける男」だったかな。スライドに映される言葉を元に作家役の男が話を作っていくという構成。
今回出されたお題は「爆弾処理師」「スナイパー」「霊媒師」「占い師」作られる話はそれぞれ韻を踏むところもあったりしながらだんだんとクライマックスに繋げ、最後に堀江くんが出てきてオチをつけるといったモノ。相変わらず黒川くんの話は細かいところまでネタが仕込まれていて面白いなぁと思う。けど、前の2弾に比べてしまうとネタとしてひねりがないのがちょっと物足りないかな。
アクタガワ~の時は芥川作品に出てくる単語を少しずつ変える事で全く違うモノを作り出す痛快さ。官能~の時は全然官能的でない日常生活必需品を使って官能小説を作り出すという驚愕があったけど、今回は普通におもしろかったで終わってしまったなと(アカンのか?フツーでは(苦笑))

☆ACT2:本当に実在した!!実録!!政府公認秘密機関ゴレンヂャー~見えざる敵との12年~
前に悪の組織とかやった事あったなぁ、そういえば。秘密裏に、「ゴレンヂャー」として万が一怪人が現れた時のため、日々シミュレーションを繰り返す公務員5人組。お得意のシチュエーションドタバタ。今回もドタバタなくせに微妙にシリアスなセリフや場面が出てくる、が、出すだけ出して置いて話の本筋にはならずにスルー。ベトナムらしい。
拗ねる黒川君は演技と思えない迫真の拗ね具合&そのあとの取りなされ具合、あれは凄い、小学生も真っ青や。おうみ住宅は。。。。すべるやろ。

☆ACT3:ドーピング
病院の控え室にて、危篤の父の元に駆けつけた娘夫婦、そこに遅れて現れる兄、妹は遅れてきた兄を父親が危険な時にいないなんて!となじる。が実は兄は娘の旦那の会社を手伝うため、仕事の他にバイトもしていた、さらに父親の入院費用も。それが今まで親不孝だった自分に出来る唯一の孝行だと考えて。誤解が解けて静かに話をする兄弟、そこにオフコースの「言葉に出来ない」が流れて静かに幕。
と、いう真面目な芝居を一度やって、次にセリフを全く変えずに、笑わせる芝居にしようという試み。
狡いというか、反則というか、卑怯なんだよなー。うん。だから好き。
2幕目、暗転があけると最初のシーン、娘夫婦2人がベンチに腰かけて話している。早速2人の間に関係ない人が座っているというシチュエーション、意味がわからん。相づちとか一緒にしてるけどあなた誰!?全く関係無しに初めと同じように真面目な芝居を続ける2人。あー、ヤダヤダ、立ちこめる気持ち悪い空気に笑いが堪えられへん。次、出てきた医者、人が変わってますけど!娘をなめ回すような視線で話す医師、セクハラだわ。。。そこに駆けつける兄。。。?えらいおっちゃんになってまぁ。しかもセリフ覚えてないんかいっ!っつーか、そこで素人投入って、どんだけ狡いねん! で極めつけに生歌のオフコース、あ、結構いい声してるんよね、徳永くん。

まぁ全体通して。
実験的といいながらも今回の公演で実験的なものは一旦うち切って、次回は長編、ッてことらしく、「ストロングボーズ」では今までやってきたモノの確認的な意味合いもあったみたいです。だからホントに(危険な感じの)冒険というよりは今までの感じをふまえて「今回はこんなんでどう?」みたいな感じに見えました。良いか悪いかでいえば良いんだけど、ここんとこ実験的なものを強調され続けて知らず知らずのうちにこちらもそれを期待してしまっていたので、ちょっと残念がってる儂がいます。(我侭です)

ちなみに、次回長編をするのに備えて役者を募集との事。今までそんなんしてなかったもんね。本気か?ベトナム。
さらに来年には(って今年も始まったばかりでは?)大阪で今までのオムニバス作品の中からリクエストをつのり、その再演をする!らしい。あは、何をリクエストしよう。ちょっと楽しみだ。

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