ぱたの関心空間

関心空間と徒然なるままに。

おしばい軍団もずくぁんず@築地本願寺ブディストホール

2009-02-22 13:13:50 | 演劇レビュー
何を隠そう(いや、隠しといた方がいいのか?)Pataさんの妹さんは芝居をやっていたりなんかするのです。

まぁそんな血縁の情もあって東京くんだりまで行ったついでに芝居を見たりなんかしたわけです。

場所が築地本願寺って。ほへー、そんなところでやっちゃう?

観劇前に参拝。築地本願寺さん。

うわー、これがお寺さんか!?っつーよーなモダ~ンな石造り。
うひゃー、本堂の中、畳敷きの代わりに椅子がズラーと並んでるよ!
どへー、お寺なのにパイプオルガンだー
#結婚式で使うらしい

うむ、さすが空を飛ぶ街TOKYO(古)。
侮りがたし。。。

ほんでもって芝居。

演目は
「天使は瞳をとじて」 作・鴻上尚史

かつて第三舞台で公演されたお芝居。
そーいえば第三舞台もーすぐ復活だねー。復活。。。。するの?

「天使は瞳をとじて」は、これまた別の劇団(といっても学生劇団です)が演じていたものならば2回見た事がある。

ストーリーはこんな感じ
核で汚染された地球上に透明な膜(見えない壁)で覆われ生きながらえた人類のコロニーがあった。幸せに暮らす人々だが見えない壁の向こうの世界に憧れを抱き、壁の向こうに出られる事を夢見る。人間にあこがれた天使はその人間社会に入るがそこは夢や希望を持ちながらも人間の欲や失望の渦巻く世界。幸せに見えた人間社会は次第にすさんだ閉塞感に苛まれる。
そして、ついに壁は破られる。

20年たったというのに未だに多くの劇団が再演し続けるこの作品。
なるほど色褪せない。
マスコミニケーションに踊らされる民衆と人々のエゴ、夢はいつかかなうという幻想と権力という妄想。

この物語には3人の天使が出てくる。主人公で、退屈な受け持ち区域を見守り続けるのに飽きて人間に憧れ、そして人間になってしまったテンコ。テンコと一緒にこのコロニーに来たが、最後まで見守る存在で有り続けるもう一人の天使。そして2人よりも先に人間になり町の人たちと暮らしていたマスター(おそらくこの地域の担当だった天使)。
この芝居の特徴は、観客はこの天使の視点でおろかな人間たちを見守る、そう見守ることしかできずに、天使と一緒に落胆し、はらはらし、虚しさを覚え、応援してしまうところにある(と思う)。そして、そのおろかな人間は自分自身である事に気づくのだ。
繰り返される天使の報告の言葉のやりきれなさと、見えない天使に呼びかけ拠りどころとする人間の虚しさ。そして天使を想像するイマジネーションも持てなくなった人が頼る先はコーマエンジェル<天使の泪>、なんとも切ない。

まぁ、前置きが長くなったが、芝居の感想を。

開演前。SEで「天使」の曲が流れる。
儂が分かったのはチェッカーズの「裏通りの天使たち」だけだったけど、他の曲も歌詞に「天使」って出てきたから多分そうなのでしょう。なかなか見つからないよね~、そーゆーの探そうと思ってもさ。
単にチェッカーズが聞けただけでテンション上がる儂♪

さてと。
出演者の何人かは声優さんであるらしい。
専門的な事はよくわからんが、声はキャラクターちっくに可愛かったりきれいだったり。ただ声質自体はとても通るのだけれど、どうも腹から声が出ていない人もいるようで、早いセリフまわしだと声がキンキンするばかりで聞き取れなかったり、ステージセットの2階部分に上がると声が籠もったりするのが気になった。そんなに大きな小屋ではないのだけど。

あと、ダンスと歌。
この脚本って、こんなダンスや歌なんてあったっけ?と思っていたらどうやらオリジナルらしい。すごいなオリジナルでこれだけ作るって。基本的に芝居をする時の力のいれ場所のバランスが儂のイメージと違うんだな(苦笑)
相対的に踊りにくそうな曲が多いなと、曲の作り方の問題なのだろうけど。それでも遜色を感じない程度に踊っているのはちょっとすごいと思う。芝居でダンス、というとどうしてもMotherのイメージがある儂からしたらビートがあまり効いてない曲でエエ感じで踊れてしまうというのはちょっとびっくりなのだ。

でもどうなのだろう。この歌とダンスって芝居に必要な要素なのかしらん?
原作は実はミュージカル版もあって、儂はそれを見ていないので何とも言えないが、もしかしたらそのイメージでやっているのかも。とするとちょっと狙いを外している感も否めないではない。

それとテンポだ。
比較的早いテンポで突き抜けるこの芝居。全体的通して特にキャラクター的にテンション高くきゃぴきゃぴした印象が強く、緩急のメリハリに欠ける気がするのだ。見ている方は息をつく場所が少なくてちょっとしんどいかも知れない。
天使の報告のセリフはその流れの中で一息つけるタイミングのように感じるので、そこを上手に使えるともう少し見やすくなるかもなぁー、とは思うのだ。

元々好きな脚本なので、ストーリーを楽しみながら観劇できた。虚しさと清清しさの混じった、見終わった後のなんともいえない心持ちがいい。

なんかね。不思議なのだ。

関西にいて見られるフリンジは、やはりキチンと芝居を志向しているところばかりで、そうするともうキャリアがあってプロな劇団から、学生劇団まで芝居のレベルと言うのが一直線上に並んでいる気がするのだ。
こういった、セミプロというか(失礼!)軸足が芝居に限らないタイプの俳優が集まって芝居もしていると言うのはチョット見る事が無かった。
アマチュアではないけれど、芝居を専門にやっている人たちの演技とは違う。とても上手だったりするのだけれど、演劇っぽくない、みたいなね。

んふ。
よければ今度はオリジナルを見せてくださいな。
ってゆーか、関西で演ってくれ~
#無理か(^^)

おしばい軍団もずくぁんず@築地本願寺ブディストホールの画像

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