ぱたの関心空間

関心空間と徒然なるままに。

トウキョウソナタ@京都シネマ

2008-10-05 17:05:18 | 映画感想
久しぶりに見る暗いトーンの映画。

まぁ、でもこの暗さが日本の今の閉塞感なのかもしれないと思う。
家族間のディスコミュニケーションがリアルです。

家族の崩壊と再生がテーマみたいです。
映画の中では家族のバラバラさがだんだん明らかになって(進行して)行くのだけれど、一晩のカタルシスをきっかけに再びやり直しの道に進んで行く、かのような雰囲気でまとめられています。
が、どうだろう。
現実はそんなに生易しく無いだろ?と見ている人の多くは逆に落胆しているのでは?

家族のうち弟がたまたまピアノの才能を持っていた。と、そういう事ですね。そんな事情は万に一つしかない特殊な事であって、フツーの庶民にはなんの慰みにもなりはしないわけです。
父が自分の威厳を保つために反対していたピアノによって救われる家族というのも皮肉ものです。

#アメリカ軍に志願しちゃう兄も特異なのだけれど、兄の思考は今この国の若者にとって恐ろしくリアルなものでしょう。かなり単純だけど日本の置かれた状況に素直に従って捻くれたナショナリズム。それに対して、きちんと説得できない父の姿は、日本の現状についてきちんと認識して教える事の出来ない今の大人達の代表です。

大人の身勝手さに翻弄される子どもたち。
そして、自分の弱さを必死でかばうかのように虚勢を張る大人たち。
そんなにして必死で守ろうとする実のない威厳のせいでより人間はぎすぎすしていくと。

映画で出せばみんな分かりやすいのですねぇ。
分かっていても出来ないのだろうけど。

ねぇ、プライドなんか捨てちまえばいいのにねぇ。

しかし、小泉今日子さんはアイドルの面影が全然無いなぁ。
いつのまにこんなに良い女優さんになっちゃったんでしょう?

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