ぱたの関心空間

関心空間と徒然なるままに。

ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~@祇園会館

2010-08-21 19:07:18 | 映画感想
男と女はすれ違う。それも限りなくねー。

太宰治は「人間失格」しか読んでいないので、浅野忠信演じる大谷と人間失格の葉蔵を重ねてみてしまうわけです。
基本的に両者については共通の見方をしてもかまわないと思うのだけど、どうでしょ?よっぽどの太宰ファンからしたらとんでもない誤解なのかも知れないけれど。

どうなんだろうね。。
人間失格を読んでいて感じた太宰の筆致は、その内容とは裏腹に軽妙な感じがしてそれはそれで凄い作家だなと思うけれども、作品がどれもこんな感じだとちょっと苦手だな。
#いやいや、どれもこんな感じというわけではないと知っちゃぁいますけどね

でも手を変え品を変え、映画で見せられるとこれはこれで面白いなと思う。
いや、実際には映画を作る側の力量なんだろうと感じる部分も多かったんだけど。

というわけで、印象的なシーンも多かったこの映画。
中でも一番印象的なのは、松たか子の恐ろしさ。

う~ん、他の人が言えば、強かさと表現するところなんだろうか。
でも、どうも儂的にはこの表現がぴったりくるのだな。。。

弱っちぃ男からしたら、あの強さは恐ろしさ以外の何物でもないと思うのだけど、どうだろう?
「俺はこんなにダメダメなのに、なんで。なんでお前はそんなに立派なんだよ・・・」 それは男には考えられない恐怖ですよ。そして、それから逃れることさえできない自分の弱さまで相手に転嫁して男は恐怖を募らせると。

しかし、ホントに、男と女というのはこうも方向性が違うものなのかとまざまざと見せつけるのだ。客観的に見ると男が身勝手で甘ったれなだけのようにも見えるけれど(実際その見かたは間違いではないと思うのだけど)だからこそバランスが取れるという理不尽な愛の形だってありうる。周りのまっとうな人間としては歯痒いだけだけど。

ちなみに、
相変わらず儂の中ではたよんない役がよく似合う俳優ナンバーワンは妻夫木くんです♪

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