ぱたの関心空間

関心空間と徒然なるままに。

パンダコパンダ@京都シネマ

2010-08-13 21:42:05 | 映画感想

高畑勲と宮崎駿が、1972年に作成したジブリ映画の源流とも言える映画。
京都シネマで今日まで上映。話には聞いたことがあるけれどもどんなものか知らないので見てきました。

会場前、お子様連れが何組か上映ルームに吸い込まれて行きました。
おぉ、これって子供向け映画やん! 忘れていた(をい)

まぁ、なんというか。。。
完全に子供向け映画なのでなんともかんとも、映画のお話自体にどうこう言うのはナンセンスですね。。。。(^^ゞ

それ以外で気づいた事など。。。。

声の出演に山田康雄さんとか、う、う、懐かしい。
熊倉一雄さんのパンダのお父さんがいいねー、いいよねー。
特に竹やぶがイイ!
おおお、テーマソングに水森亜土さんだー。

ミミちゃんが住んでいる場所は「北秋津」
これって、武蔵野線の新秋津がモデルだろうか?
そーいえばあそこの駅って駅舎の位置が谷状になっていたような。 違ったかな?

「雨ふりサーカス」では、大雨が降り、ミミちゃんとパンダ親子が住む竹藪の家付近は大洪水。そして、そこにベッドの船を浮かべて、サーカスの動物たちを助けに行く、んだけど、この展開って。。。。ふわぁ~、崖の上のポニョやんか~!
洪水なのに悲壮感のない非現実さとか、クリアな水中を通しての情景とかまんまな感じ。
ポニョではその無理やりな展開とありえへん設定にむむむむ、となったものだけど、そうだ。 宮崎駿さんも、ポニョは子供たちの為の映画みたいな事を言っていたなぁ。ということは完全にパンダコパンダの延長線上にあるわけだからナンセンスさも当然か。

そうそう、パパパンダがぴょんぴょん跳ねる感じとか、「おぉ、トトロだトトロだ♪」

あと、ミミちゃんはパンツ見せすぎです。

川の底からこんにちは@京都シネマ

2010-08-13 14:23:46 | 映画感想
満島ひかり

である。

ぬー、なんだかしらんけど、微妙に気になるのである。
愛のむきだしで初めて見た彼女。整った顔立ちで確かにかわいいけど、それだけじゃない何かを感じさせる。
なにしろ、映画中前半の彼女「佐和子」はなんだか、何に対してもこだわりがなく無気力で、魅力のかけらさえ無い。上京5年、5度目の仕事、5人目の男。 やるねー。

が、諦めて開き直ると、突如格好悪いのんに(微妙ではあるけれど)格好良くなっちゃうという逆説。それを演じ切った彼女。
なんともまぁ、ダメダメな、それでいていそうで(でも絶対にいないキャラ)でなおかつ開き直れる最強キャラ。これはムズカシイ。

#なんか、誰かに似てるような気がするとずーっと思っていたけど、南Q太の漫画に出てくる感じの女の子ににているのかも。。。(違う?)

一つだけしっくりこなかったのはですねぇ、
しょっちゅう発泡酒(淡麗?)を飲む佐和子だけど、これがなんともまずそうに飲むんだ。ビールを不味そうに飲ませたら、日本で5本の指に入ると自認している儂がいうのだから間違いないと思うけど(いや、その思い込みが間違いでしょう)。演出?

主人公の佐和子は、口癖のようになんでもかんでも
「でも、それってしょうがないでしょ。」
で済ませてしまう。仕事へのグチも環境問題も自分の境遇や男でさえも。

アンタねー!と言いたくなるような状況でも、なんでやねん!っと突っ込みたくなる展開でも淡々とアホっぽく「まぁ、でも、仕方ないですよね」ですましてしまう。
だからこそ逆にリアルなのかも。

唯一例外は彼氏が仕事辞めて「別れるとかっていう話になっちゃう?」と聞いたときくらいか? 「なるよ、当然!なるなる!」と言っておきながら次のシーンでは一緒に田舎に連れてきているし(なんでやねん!)

そしてもう一つ、繰り返されるセリフ。
「所詮、中の下なんだから。」
中の下どころか、ダメダメな人物ばかり出てくる本作。
お父さんのしじみ工場社長、工場の従業員、同僚OLと上司、伯父さん、しじみ取りのおっちゃん、極めつけは佐和子の彼氏。ダメダメに入らないのは彼氏の連れ子の加代子くらいなものか。
しかし、そのダメダメな人物がみんなどうにも憎めないから困ってしまうのだ。最終的には人間なんて所詮「みんな中の下」さ、と肯定せざるを得ない(理屈ではおかしいけど)

んー、なんだろうな。
ネガティブなところから生まれるポジティブさ。
宮台真司的に言うと、
終わりなき日常を生きる知恵。
んー、難しく言うと、
閉塞感漂う世の中において、状況をあるがまま受け入れる事で疲弊する事を回避し、その中で出来うる事を探そうとする前進的な態度。

つまり、
いまある状況は、とりあえずそーなっちゃったもんは仕方ないので、それはそれとして認めっから、ほんでこの状況からほんじゃ頑張りますわ。
と。
「ええ、そうですよ!駆け落ちしましたよ。で、捨てられましたよ。で5年ぶりに帰って来て連れてきたのはあんなダメ男ですよ。でも仕方ないでしょ、そうなっちゃったんだから。で、何?なんか問題でも?」
で、おばちゃんたちも結局男で失敗した人ばかりというオチ。ちょっとほっとする(笑)

結局ね。
どっちかっていうとガンバリ屋さんなんだよ。きっと。
基本的な線で、世間一般と同じルール上で「がんばる」という必要性は感じないけれども、自分が置かれたポジションでがんばろうかねー、というモチベーションはきちんと持てるのだ。そこに開き直りが入るからとても人間くさくて共感できちゃうんじゃないのかねぇ。
最終的に男に失敗してるかもしれないし、もっと世間一般的な意味で「がんばれ」ば世間一般的に言うもっといい状況が作れるであろう才覚もあるのかもしれないけれども、そんな事は求めなくてよいのだ。

その開き直りが強烈に現れる身も蓋もない社歌<映画のHPでどんぞ。
すんばらしい!爆笑。

世間一般に広く受け入れられる映画ではないだろうけれど、ここにあるのは新しい時代のリアルになるかもしれないポジティブさだと思うな。

え、そんな事で良いのかって?
ええ、かまいやしません。だって儂もやっぱり中の下の人間ですから☆

牧野エミさん、久しぶりに見た。
んー、なんとも。

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