パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

定年ゴジラ

2015-04-05 | book
1963年生まれの重松清が定年後の生きざまを描いた「定年ゴジラ」を読んだ。2001年2月刊行。15年も前の作品だが,色あせない。

東京近郊の新興住宅地で定年を迎えた人々。開発から30年。子育てを終え,昼間は仕事,夜は家庭,日々の生活を終え,このくぬぎ台で,まさに新しい生活が始まろうとしている。同じ歳月を過ごした男たちが昼間,この暮らしで出会う。それぞれの環境で未来に目を向けていく。

高校卒業して上京し,金融機関に勤め,2人の娘を育て上げた山崎さんは奥さんと二人暮らし。定年を迎え,町内のウオーキングを始めた。そこで知り合った男たち。先輩の町内会長は2世帯住宅に住む。運送会社で単身赴任で過ごしてきたノムさんは2人の男の子を育て上げた。この団地開発に関わったフーさんは妻と二人暮らし。この4人に起こるさまざまな出来事。
急死する江藤さん「定年ゴジラ」。家で居場所がないノムさん「ふうまん」。妻と離婚し,一人暮らしをしている永田さん「きのうのジョー」。幼馴染のチュウが山崎さんを訪ねてくる。亡きお母さんへの哀切「夢はいまもめぐりて」。山崎さんの次女の結婚話「憂々自適」。くぬぎ台に大学生がやってきた。1丁目から5丁目までくぬぎ台2千戸の団地診断をするという「くぬぎ台ツアー」。山崎さんと家族を描く「家族写真」。そして2年後の皆を描いた「帰ってきた定年ゴジラ」。パソコンに向き合い新しい出会いが始まる・・・。

余生とはなんだ。余りの人生なんてあまりになさけないじゃないか。時とともに家族の役割は変わる。人それぞれに家族は異なり,家庭も異なる。でも共通して誰も老いる。だから,その時そ
の時を一生懸命生きるしかない。重松清の応援歌。

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