御宿かわせみ「神かくし」14冊目。1990年5月,オール讀物。平成元年4月号から12月号。
「梅若塚に雨が降る」
江戸で大火事があり,源三郎の口利きで呉服屋の近江屋の奉公人夫婦がかわせみの厄介になる。夫の清二郎は先代の倅で手代をしている。女房のおふねは16歳だった。おふねは,赤ん坊をほったらかしにして昼間は出かけてしまう。その近江屋は火事で焼け太りしていた。同じような今回の火事で大もうけした呉服屋に賊が入り,皆殺しになった。5.6千両の金が奪われる。そして,また,起きた火事騒ぎ。東吾は近江屋に駆け付けるが,清二郎が殺されていた。
「みずすまし」
かわせみに東吾が訪れると,るいの幼馴染のお与里が来ていた。大番組の佐伯和之介に嫁いだが,子ができずに離縁されていた。その和之助は他の女,おたまに子を産ませていた。東吾,源三郎と千絵の長男源太郎の顔を見に行くと,そのお与里が来ていた。東吾は,和之助の子がほんとうの子かと相談を受けることになる。おたまには男がいた。東吾は目黒村に出かけ,張り込むことになる。
「天下祭の夜」
6月に江戸で行われる天下祭。かわせみの客も江戸へ出て来た人で賑わう。その客で神林家に出入りする日本橋の呉服屋,布袋屋が東吾とるいを桟敷に招待する。そこに,かわせみに泊まっていた足利の羽島屋夫婦も招かれていた。東吾には兄,通之進から家督を譲る話が出ていた。るいと結婚し,お吉と嘉助も神林家へ来てくれという。祭りの翌朝,羽島屋の女房18.9になるおよねが神田川の川舟で殺されていた。
「目黒川の蛍」
眼病にご利益のあるという越後の五智如来さんにまつわる男女の悲話。信濃屋惣兵衛の妹,28・9になるおすえが五智如来に参り,良縁にめぐまれたという。東吾は方月館で,その五智如来に行っても良くならない30過ぎの農家の娘おたねと知り合う。そのおたねはいい中になった男に逃げられ途方に暮れていた。
「六阿弥陀道しるべ」
神林家に,出入りの呉服屋白木屋の大番頭治兵衛が56歳でお暇をもらうことになったとあいさつに来た。その治兵衛が行方知れずになったと源三郎が東吾に相談に来る。六阿弥陀詣でに出かけ,行方知れずになったという。治兵衛にはおなみという女房がいて,子どもまでいた。
「時雨降る夜」
るいは茶会で菓子屋の若主人織部と妻二十歳のおきみと知り合う。織部は先代の主人の甥,おきみは先代の妻,40過ぎのお由良の遠縁にあたる京都の娘だった。おきみは江戸に慣れず,失態を重ねていた。そのおきみが,由良に家を追い出されたと,かわせみにやってくる。お由良とおきみの間に立つ東吾。源三郎も巻き込んで嫁姑に首を突っ込む。
「神かくし」
初冬の朝,かわせみの老番頭の嘉助が外に出てみると若い娘がいた。神田の名主宮辺又四郎の娘15歳のお由紀だという。30日に琴の稽古に出かけ,今日三日だった。嘉助と長介が家へ送っていく。どうも神田界隈でかどわかしが頻発しているという。源三郎が東吾に相談をかける。東吾はいまだ帰ってこない3軒の商家を訪ねる。どうもそれぞれ訳ががあるらしい。
「麻生家の正月」
大晦日に麻生家の七恵が女子を出産する。大喜びの麻生家と神林家。長介はそばを持参し祝う。その長介が,部下の伊助をかわせみに連れてくる。伊助は,本所で木村庵という蕎麦屋を一家で営んでいた。どうも伊助は女房に頭が上がらないらしい。通之進は隠居し,東吾を6月から奉行所に出仕させるとあいさつ回りをする。花世の誕生。
「梅若塚に雨が降る」
江戸で大火事があり,源三郎の口利きで呉服屋の近江屋の奉公人夫婦がかわせみの厄介になる。夫の清二郎は先代の倅で手代をしている。女房のおふねは16歳だった。おふねは,赤ん坊をほったらかしにして昼間は出かけてしまう。その近江屋は火事で焼け太りしていた。同じような今回の火事で大もうけした呉服屋に賊が入り,皆殺しになった。5.6千両の金が奪われる。そして,また,起きた火事騒ぎ。東吾は近江屋に駆け付けるが,清二郎が殺されていた。
「みずすまし」
かわせみに東吾が訪れると,るいの幼馴染のお与里が来ていた。大番組の佐伯和之介に嫁いだが,子ができずに離縁されていた。その和之助は他の女,おたまに子を産ませていた。東吾,源三郎と千絵の長男源太郎の顔を見に行くと,そのお与里が来ていた。東吾は,和之助の子がほんとうの子かと相談を受けることになる。おたまには男がいた。東吾は目黒村に出かけ,張り込むことになる。
「天下祭の夜」
6月に江戸で行われる天下祭。かわせみの客も江戸へ出て来た人で賑わう。その客で神林家に出入りする日本橋の呉服屋,布袋屋が東吾とるいを桟敷に招待する。そこに,かわせみに泊まっていた足利の羽島屋夫婦も招かれていた。東吾には兄,通之進から家督を譲る話が出ていた。るいと結婚し,お吉と嘉助も神林家へ来てくれという。祭りの翌朝,羽島屋の女房18.9になるおよねが神田川の川舟で殺されていた。
「目黒川の蛍」
眼病にご利益のあるという越後の五智如来さんにまつわる男女の悲話。信濃屋惣兵衛の妹,28・9になるおすえが五智如来に参り,良縁にめぐまれたという。東吾は方月館で,その五智如来に行っても良くならない30過ぎの農家の娘おたねと知り合う。そのおたねはいい中になった男に逃げられ途方に暮れていた。
「六阿弥陀道しるべ」
神林家に,出入りの呉服屋白木屋の大番頭治兵衛が56歳でお暇をもらうことになったとあいさつに来た。その治兵衛が行方知れずになったと源三郎が東吾に相談に来る。六阿弥陀詣でに出かけ,行方知れずになったという。治兵衛にはおなみという女房がいて,子どもまでいた。
「時雨降る夜」
るいは茶会で菓子屋の若主人織部と妻二十歳のおきみと知り合う。織部は先代の主人の甥,おきみは先代の妻,40過ぎのお由良の遠縁にあたる京都の娘だった。おきみは江戸に慣れず,失態を重ねていた。そのおきみが,由良に家を追い出されたと,かわせみにやってくる。お由良とおきみの間に立つ東吾。源三郎も巻き込んで嫁姑に首を突っ込む。
「神かくし」
初冬の朝,かわせみの老番頭の嘉助が外に出てみると若い娘がいた。神田の名主宮辺又四郎の娘15歳のお由紀だという。30日に琴の稽古に出かけ,今日三日だった。嘉助と長介が家へ送っていく。どうも神田界隈でかどわかしが頻発しているという。源三郎が東吾に相談をかける。東吾はいまだ帰ってこない3軒の商家を訪ねる。どうもそれぞれ訳ががあるらしい。
「麻生家の正月」
大晦日に麻生家の七恵が女子を出産する。大喜びの麻生家と神林家。長介はそばを持参し祝う。その長介が,部下の伊助をかわせみに連れてくる。伊助は,本所で木村庵という蕎麦屋を一家で営んでいた。どうも伊助は女房に頭が上がらないらしい。通之進は隠居し,東吾を6月から奉行所に出仕させるとあいさつ回りをする。花世の誕生。