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パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

御宿かわせみ3「水郷から来た女」

2014-04-06 | 御宿かわせみ
1977年昭和52年6月刊行の御宿かわせみ第3弾「水郷から来た女」。7編を収める。

湯の宿
お吉、嘉助、るいの3人は箱根へ行くことになる。その頃、畝(うねび)源三郎の亡父が手柄を立てた凶賊の一味が島抜けをしたと知らせが入る。
桐の花散る
25年前4歳の娘を江戸でかどわかされていた美濃の国の材木問屋、多田屋吉右衛門は、かわせみの常連客。泊まっていた矢先、商家に強盗が入り、バラバラ死体が発見された。
水郷から来た女。
日本橋の両替商、板倉屋重兵衛の一人息子5歳の伊之助が誘拐された。その後起こる身代金目当ての商家の子供の誘拐事件。そんな中、東吾は、駆け落ちをした姉を探す女剣士と出会う。
風鈴が切れた
嘉助の孫娘がかどわかしに遭う。狸穴(まみあな)の方月館道場へ代稽古に通う東吾は、道場主が頼む女按摩のおみつに風鈴を買う。夫弥吉が、おみつのうわき相手を殺したと東吾に知らせが入る。
女がひとり
嘉助の娘、お民が東吾に相談を持ちかける。幼馴染のおかつが、男に入れあげていると。おかつにはともに暮らす地のつながりのない弟の与吉がいた。
夏の夜ばなし
かわせみの女中おきくが化け物屋敷の話を持ってきた。その話の医師の良庵が殺される。おきくの両親は、良庵の家の前に住んでいた。酒問屋、松江候が粋な計らい。
女主人殺人事件
お茶屋の主人、お節が殺された。50歳近くの大柄なお節には好きな人がいたらしい。船宿の女主人お峯、独り者の38歳が殺され、両替商の女主人お勝30歳も。その手がるいにも伸びる。

御宿かわせみ2 「江戸の子守歌」

2014-03-30 | 御宿かわせみ
御宿かわせみの2作目,「江戸の子守唄」。昭和50年1975年12月刊行。
 
「江戸の子守唄」
 吉三とお鹿の夫婦者が、かわせみに幼い娘お文を置いて消えてしまう。出生にまつわる過去。
「お役者松」
 縁日に出かけた東吾とるい。そこでスリが東吾に財布を預ける。東吾を助ける松の活躍
「迷子石」
 次々に起こる辻斬り。研ぎ師の佐吉と迷子になった娘との悲しい過去。
「幼馴染」
 植木屋の娘 お糸、弟子の清太郎。清太郎の幼馴染のおてい。おていが起こす騒動
「宵節句」
 るいの幼馴染和世はいまだ独身。その兄、五井兵馬は東吾も剣の同門だった。町を襲う盗賊の騒ぎ
「ほととぎす啼く」
 かわせみに油をおろす山崎屋で起きる不審な出来事。
「七夕の客」
 毎年、七夕にかわせみで別々の部屋に留まる2人の男女がいた。年の差は親子ほどであった。
「王子の滝」
 東吾とるいが避暑に訪れた。蔵前の札差大和屋の家付き娘おすずが殺される

御宿かわせみ

2014-01-19 | 御宿かわせみ
御宿かわせみシリーズの第1冊目『御宿かわせみ』。昭和49年5月、1974年刊行。
この「かわせみ」は、昭和48年1973年に月刊誌に隔月で連載が開催されたという。33話掲載後に中断し、昭和57年1982年に連載再開し、平成15年2005年11月号で終了した。ロングラン小説で,江戸大川端(おおかわばた)の旅籠、「かわせみ」を舞台にした人情捕物帳。『常盤新平の好きな時代小説』でも推薦された。恥ずかしながら、テレビでも有名な原作をはじめて読む。

「初春の客」 かわせみで一夜を過ごした黒人奴隷イワノフレと混血の女千代菊との悲恋。ロシア船が次々と日本近海に現れる幕末の設定が明らかになる。
「花冷え」 芸者千代菊とぐれものの弟定吉、母お勝
「卯の花」 父のあだ討ちに女中のおくみと京都から来た進藤喜一郎はかわせみに留まる
「秋の蛍」 江戸市中に現れる旅籠盗賊。かわせみに泊まっていた長七とお糸親子。孫の5歳の三代を連れたかわせみの老番頭の喜助の活躍。
「倉の中」  自殺を図ろうとした老女を助けた、るいと女中頭のお吉。質屋の主人、半兵衛の実母かねだった。そんな折、かわせみにおくみという娘が泊まる。半兵衛の内儀とかけおちした喜三郎の許婚だった。
「師走の客」 大百姓の娘32歳のおすががふとした縁で、かわせみに泊まりに来る。見初めた男を捜しているという。そんな折、るいの父が八丁堀の与力だったときの知人、同じ与力の長尾要の家に、家出をした娘雪乃の3歳の子が捨てられていた。
「江戸は雪」 かわせみに泊まった、はとり屋の主人夫婦。娘の縁談を断りに50両の金を持って来たが、無くなったと騒ぐ。そこに泊まっていた佐吉が賭け事で儲かったといって50両を持っていた。

主人公は神林東吾。北町奉行所吟味方与力の神林通之進(とおのしん)を兄に持つ部屋住みの次男坊。兄の妻、香苗は兄の幼馴染の恋女房。
るい。八丁堀の鬼与力を父親に持つ娘。東吾の1つ上の25歳。父は3年前に失脚し2年前に死去。町屋暮らしを半年し、2年前から宿を始めた。
そしてかわせみの老番頭の嘉助と女中頭お吉。二人は庄司家の八丁堀時代からの使用人。 
畝(うね)源三郎。東吾の幼馴染で親友。八丁堀の常廻り同心。

東吾とるい。2人を温かく見守り、手を差し伸べるメンバーがいい。今年1年,これから長い付き合いができる本と、また、めぐり合えた。ありがたいことだ。