正月ということで何冊が読破中なのですが、そのうちのオススメの一冊。
2006-09-24「 iCon 」 超強力なネゴシエーター、スティーブ・ジョブズ iCon(本)感想。
2007-05-05「スティーブ・ジョブズ神の交渉術」 愚かであり続けろ。
と、当ブログでアップしているように、1年に一度くらいはたまたま読んでいるのがスティーブ・ジョブズもの。
Appleへの復活→iPodのプロジェクトで音楽業界を再編成さらに携帯電話メーカーまで震撼させる男をドキュメントした最新の本、「スティーブ・ジョブズの流儀」をご紹介。
(ちなみに私はSE 30時代からのマックユーザー。当ブログをみればわかりますが iphoneに関しては、jailbraked itouchを使い倒すことで未購入)
過去の本では、ダークサイドが次々とコンパクトに列挙されていくスティーブンの常識はずれの行動を読み進むうち、「神」というよりは「悪魔」にしか見えなくなってしまう(個人的にNewtonの恨みもあるし(笑))
わかっているつもりでも、一人のAppleファンとしてどうしても落ち込んでいく自分を感じるのだが、この「スティーブ・ジョブズの流儀 」はそういう意味でバランスを取り戻せる本という点で大変マルだった!
彼がApple復帰時、社全体を立て直す野望があったわけではないことが他人のコメントでも表記され、かつ彼がどんな考え方でこの会社を手て直したかが克明に書かれているし、その理由の納得性も高い。
ここでは各章のアタマについているスティーブン語録がおもしろかったので、それをいくつか紹介することでこの本のテイストをちょっと。
特に第6章がはまったので、そこは多少厚めに。
第1章 フォーカス―「ノー」が救ったアップル
=土台のしっかりしたボロ家も求む。壁を壊し、橋をかけ、火をつけるのも厭わず。経験豊富でエネルギー充実。「ビジョンとかいうやつ」も少々あり。ゼロから始めることを厭わず(Appleホームページ上の経歴より)
まさにスティーブンがApple再生時に実行したことがここに彼の言葉で明記されている。
第2章 独裁―アップルのワンマン・フォーカスグループ
=画面上のボタンも美しく仕上げた。思わずなめたくなるはずだ。
彼のデザインにかける執念が現れた言葉。その表記はこの章に沢山沢山出てくる。
第4章 エリート主義―Aプレーヤー以外の能なしは去れ
=われわれのビジネスは、もはやひとりでは何もできない。チームをつくることだ。
彼らしくない発言のようだが、彼はまかせるところはまかせる(ことをPixerで学んだのかもしれない)
第5章 情熱―宇宙をへこませる
=宇宙をへこませたい。
確かにへこませているかもしれない(笑)
第6章 発明欲―イノベーションはどこからも たらされるのか
=イノベーションは研究開発の額とは関係ない。アップルがMacを考え出した時、IBMは少なくとも100倍の研究開発予算を使っていた。イノベーションとはお金ではない。人材であり、彼らをどう導くかである。それをどれだけ理解しているかである。
この章でかなり刺さったフレーズをいくつか。Apple再生時の状況がよくわかる。
「会社を進めるのはもはや製品担当者でなくなる。(中略)このような状況では、そもそも会社をつくった製品思考の人たちが販売重視の人間にとってかわられる傾向がある。最後に会社を仕切るのは誰か?それは販売系の人間だ」
「ある日、なんらかの理由で独占が終わる。でもその時には、製品を担当する最高の人たちは会社を去っている。あるいはもう発言権がない。だから会社は混乱に日々を迎えることになる。生きるか生き残れないか、ふたつにひとつだ」
最後にパロアルト研究所から発想を得たくだりで出てくる、スティーブンがよく引用するピカソのせりふを。
「すぐれた芸術家はまねる。偉大な芸術家は盗む」
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