2階に上がってまずバーネット・ニューマンと対面し、その後しばらくポロックやフランク・ステラを鑑賞。
そして最後に、いよいよ「シーグラム壁画」を集めた新・『ロスコ・ルーム』が待ち受けている!
「シーグラム壁画」とは、NYのシーグラム本社に設けられたレストラン「フォー・シーズンズ」のために、作品制作の依頼を受けたことをきっかけにしたシリーズ。
今回はもともと川村にあった7点に、テート3点そしてワシントン・ナショナル・ギャラリー5点、の8点を加えた合計15点を同じ部屋に一気に陳列。
こうして同じ大きさのものがロスコの指定どおりの高さ、間隔で15点も並べられることは初めてのこと。
3カ所のそれぞれの絵がこべつに鑑賞するのとは明らかに違うインパクトで迫ってくる、
まずこの異様な量感に圧倒される。
じっとながめていると、どの絵もなにかしらの「ポータル」に見えてくるから不思議。
個人的意見だが、この色調になった理由は、レストランのやや暗めな照明と思う。
そんなレベルの明るさの中で、これらの絵画を見直してみたい衝動にかられた。
そして、この展示の音声ガイド(500円)。
この部屋の解説のために1曲だけ収録されているのが、モーツァルトの弦楽五重奏曲 K.593の第二楽章Adagioを丸々。
音声ガイドの説明のあと、ボタンを押すことで曲が立ち上がる。
ロスコが敬愛したモーツァルトを、10分以上に渡って新・『ロスコ・ルーム』で味わう恍惚の時間。
モーツァリアンとしては、痺れました!
エピローグは、最晩年の極端に走った、ブラック・フォーム・ペインティング。
黒と黒の微妙な違いを生で味わう。
そしてついにこれまで追求した際(キワ)の美学を捨て去った、遺作ブラック・オン・グレー。
ロスコの晩年をここまで捉えた展覧会は今後も難しいのでは?
ということで、ピンときた方は必見。
会期は6月7日(日)まで。
| Trackback ( 0 )
|
トラックバックありがとうございました。こちらからもトラックバックさせていただきました。ロスコルームは川村の常設の部屋もとても落ち着くので大好きです。あとは、ワシントンでフィリップスコレクションで見ました。こちらは明るい色彩の作品で川村よりもすこし小さめな部屋になっていました。ワシントンは日本と違って、ひとりだけでロスコルームで瞑想できるのですばらしいです。今回の展覧会、レストランを意識して高い位置に作品を掲げたとありましたが、テーブルなども用意してそれに座って絵を見られたら最高だったかなと思いました。モーツァルトすばらしいですね。ガイドさんのツアーにも参加したのですが、再度オーディオガイドで常設から見直しました。いい美術館ですよね。
主人がロスコフリークなので、川村美術館には時々出かけます。
ニューマンの部屋も、いつ行っても感動します。
あのアプローチは素敵ですね。
今回は、シーグラム絵画が一堂に会し、見応えのあるexpositionでした。
再度訪ねたいと思っております。
神尾様
フィリップスコレクションご覧になっているんですか!
ひとりで鑑賞できるのは海外ならではの経験ですね。
私もいつか行ってみたいです(ヒューストンも)
illrio様
私も終了までにもう一度行ければとは思っていますが
アチラ方面に用事でもできるといいのですが.....
その距離ゆえに出来る構造の美術館なのかもしれませんね。