1961年 冬 NY グリニッジ・ヴィレッジ。
主人公ルーウィン・デイヴィスは、売れない 男性フォーク・シンガー。
極寒なのに、コートもないような生活。
定住する場所はなく、友達やツテを頼り、その家のソファーを借りるジプシー生活。
たまにはメジャー人脈と繋がり、セッションで小金が入ったりするが、その場限りで印税は無論なし。
こんな主人公の苦闘の日々を描く。
設定でふと対比的に思い出したのが、映画:ウォルト・ディズニーの約束 Saving Mr. Banks。
偶然だが、こちらも設定は同じ 1961年。
全く違うのは、大陽が眩しいカリフォルニアだということ。
エマ・トンプソン演じる、P・L"・トラバース お付きの運転手を演じるポール・ジアマッティ。
彼の毎朝のセリフは「今日も最高のお天気で、気持ちいいですねー」的な感じ。
なぜこんなことを書くかというとこの映画の NYは暗く凍り付いたような世界。
大陽が姿をみせるようなシーンはひとつもなかった(笑)
このへんのリアリティに、コーエン兄弟のこだわりを感じるし、そこがこの映画の最大の魅力のひとつだと思う。
そして後半、主人公がいい演奏をし、拍手の中、次に登場するのが驚きのボブ・ディラン!
もちろん本人ではなく、まだ若いガキを役者が演じる。
ここでまたコーエン兄弟の製作意図を知る。
皆が皆、主人公のようなどん底の状態ではなく、そこから将来的に這い上がるミュージシャンも存在するということ。
そういった「時代の空気」を描きたかったんだな、と。
コーエン兄弟ファンにはタマラナイ一作なのは、間違いない!
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