日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
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昨年末に発売されたこの本を手に取ったのは、東京2020をイメージする参考になると思ったから。
長野1998オリンピックを、地方政治の変化、交通網、競技施設、人々のネットワークの広がり、他からオリンピックというメガイベントの正と負の効果を分析・評価しようとする。

200ページ弱の中に、以下のように詰め込んである(敬称:略)
序章 オリンピックとスポーツ・メガイベントの社会学 石坂友司/松林秀樹
第1章 「遺産」をめぐる開催地の10年 石坂友司/松林秀樹
第2章 「風雪」と「虹と雪」の呪縛 はるかなる札幌オリンピックとその記憶 町村敬志
第3章 「記憶と評価」から見た「遺産」 松林秀樹/石坂友司
第4章 スポーツ・メガイベントと地域開発 長野オリンピック開催を支持したのは誰か? 上野淳子
第5章 「遺産」に対する「地元」の評価・意識 交通網整備を中心に 松林秀樹
第6章 スポーツ・メガイベントと地方政治 長野オリンピックの政治社会学 丸山真央
第7章 「遺産」としての「一校一国運動」 長野市立徳間小学校の取り組みを中心に 靍木 啓
第8章 「遺産」をめぐる葛藤と活用 白馬村の観光産業を中心に 高尾将幸
第9章 カーリングネットワークの創出と展開 カーリングの聖地・軽井沢/御代田の取り組み 石坂友司
終章  誰にとってのオリンピック・遺産なのか 松林秀樹/石坂友司

研究が9つも入っていて、しかも注釈もそれぞれ2から3ページずつつくので、論文ひとつあたりわずか10数ページ。
このため一冊全て読み終わっても、まだまだ食い足りない。
テーマ自体の難易度が高いのも、そうなってしまう理由か。



また読書の目的が東京2020だった、という意図も間違えたよう。
読み始めてすぐ悟ったのだが、夏のオリンピックと、冬のオリンピックでは、比較しようもないほど内容が違う。
その理由は大きく二つ。

1.夏のオリンピックと、冬のオリンピックでは、当然のこと競技内容に大きな違いがある。
この本で特にフォーカスされるのは、リュージュ会場などの競技場のその後だったり、カーリングネタ。


2.夏のオリンピックは、都市型(アトランタ1996、シドニー2000、アテネ2004、北京2008 etc...)
たいがいその国の首都あるいは衛星都市で実施される。
一方冬のオリンピックは地方(アルベールビル1992、リレハンメル1994、ソルトレイク2002、トリノ2006 etc...)
全く文脈が違うのだ。


東京2020をイメージする、という点では、前回大会のロンドンが最も参考になるように考える。
ロンドンの貧民街だったエリアを一気に公園にし、活性化を図った事が招致のアピールポイントだった点で開催を勝ち取った。
開催後、会場は公園になっているはずだが、1年以上がたって、当初の目的は達成されたのか?
いつか何か理屈をつけて、自分の目で現地に観に行くとしよう!(笑)

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