現存する5つの文明について、氏が世界の学者の意見を紹介しています。労を省き、日本と中国だけにしようと思いましたが、こんな機会はめったに無いので、全部紹介することにしました。子供たちのためと言うより、私自身の勉強になります。
日本の文明に関する説明は、他の文明のようにボリュームがありませんが、これも一つの現実です。世界の学者による日本文明の位置づけを知ることは、私たちを謙虚にさせますが、誇りも生じさせます。
1. 中国文明
「全ての学者が認めていることだが、少なくとも紀元前1500年に、」「そしておそらくは、その1000年前から、」「一つの中国文明が存在していたか、或は、二つの文明があって、」「西暦の最初の数年間の間に、片方が、もう一方を継承したと考えられている。」
「私はこの文明を、儒教文明と名づけた。」「しかし、中華文明という言葉を使う方が、」「もっと、正確ではある。」
「儒教は中国文明の重要な要素ではあるが、中国文明の要素は、儒教だけに止まらないし、」「政治的なまとまりとしての中国を、超越している。」「中華文明という言葉は、大勢の学者によって使われてきたが、」「これは中国はもちろん、東南アジアなど、」「中国以外の土地の、中国人社会と共通の文化、」「さらには、ベトナムや朝鮮の関連する文化を、適切に表現している。」
事大主義の朝鮮は、自らを小中華と呼び、他民族に支配された清国よりも、自分の方が正統の中華だと、今でも思っているようです。しかし朝鮮は、今でも中国の属国、あるいは一部としか認められていません。朝鮮人の自意識過剰と歴史捏造は、世界の学者にお見通しなのでしょうか。
ベトナムも、学者たちは中華文明の範疇で考えているようですが、意外な気がします。ベトナム人は中国人を嫌っており、中国も戦争を仕掛けたりしています。仲が悪くても、同じ文明なのだと初めて知りました。
2. 日本文明
「一部の学者は、日本の文化と、中国の文化を、」「極東文明として、一括りにしている。」「だが、ほとんどの学者はそうせずに、日本を固有の文明として認識し、」「中国文明から派生して、西暦100年、ないし400年の時期に、現れたと見ている。」
「日本は中国が育てた娘だ。」と、日本を低く見ていたライシャワー氏は、ハンチントン氏のいう「一部の学者」だったのでしょうか。中国を礼賛し、日本をほとんど無視していた氏を、改めて軽蔑したくなりますが、こういうところが私の心の狭さです。
西暦100年頃の日本とは、どういうものだったか、ネットで再確認したくなりました。格好の情報がありましたので、転記いたします。
《 西暦100年区切りで見た日本 》
・1世紀:弥生時代。
・2世紀:後漢との外交の記録あり。
・3世紀:卑弥呼と邪馬台国。
・4世紀:古墳文化。
・5世紀:大和朝廷と氏姓制度。
・6世紀:渡来人が仏教伝来。蘇我氏。
・7世紀:飛鳥時代。聖徳太子、大化の改新で律令化。
日本の文明が固有のものとして認識されたのは、聖徳太子以降ではないかと思っていましたが、なんということでしょう。弥生時代や古墳時代の頃から、世界の学者は、日本の文明を固有のものであると考えていたのです。
どうだライシャワー氏よと、私は痛快な気分になります。日本は中国が育てた娘でなく、中国文明に接する自立した大人だったのです。しかし私は、日本は中国に何の恩もないと言っているのではありません。中国が大切な師であり、感謝すべき隣国である事実に変わりはありません。
不快に思うのは、中国と比較し、不当に日本を蔑視する学者たちです。ライシャワー氏のことだけを言いましたが、ハンチントン氏の言う「一部の学者」には、日本人の学者が含まれているということを、忘れてはいけません。それが、反日・左翼の学者たちです。
先日のブログで紹介した、「東京大学社会科学研究所」を思い出してください。この組織は、日本の学界に君臨する反日・左翼学者の育成機関であり、互助組織です。
日本の歴史学者の主流はこの組織から巣立ち、彼らは日本の過去を憎み、否定する意見を発信します。ハンチントン氏のように、世界の学者の意見を国内で伝えず、若者たちに日本蔑視の教育を続けています。
氏の著書の主題は、ここにあるのではありませんが、私には有用な書です。